半沢直樹の”便乗商法”にモノ申す

ドラマ「半沢直樹」が強烈に風刺する現実社会

出向が決定した“半沢直樹”へのキャリアアドバイス

私はあいにく日本におらず半沢直樹を見れないため、YouTubeを頼りに“先週放送のダイジェスト”を繋ぎ合わせてトータル10分くらいしか見れていないわけだが、ドラマが一番“見せたかったシーン”に集中して、半沢直樹の世界が描く本質を考えさせていただこう。

まず舞台設定として、いらない時に金を貸し付け、必要な時に貸しはがす悪徳銀行によって父親が犠牲になっている。そしてその息子の直樹がバンカーになってその親を自殺に追い込んだバンカーや悪徳上司の不正を暴き復讐するという設定は極めてベタであるが、近年の金融業界を知っている者としては、いささか違和感を抱いたのも事実だ。

例えばドラマ冒頭の5億円の焦げ付きというのはメガバンクが設定なので本来ならライトオフ(減損損失)して終わりじゃないか、と思ったり、ドラマ中盤の“老舗の旅館に対する120億円の焦げ付き”については、ゴールドマンサックスの不良債権処理部門に売却して、他の諸々の温泉旅館と一大チェーンをつくって、最後は海外観光客を当てにしてシンガポールなどに上場して大儲け、といった今風の展開を想像してしまう。

また出向がキャリアの終わりみたいな描き方をされていることにも相当違和感を感じた。むしろ今なら、できれば若くから出向したいと思っている人も多いのではないか。

出向は、キャリアの幅を広げるチャンス

銀行勤務だけだとどうしても会社の中身を深く知り、会社をバリューアップする経験を積むとができず、机上の空論しか言えない不安を訴える人もいる。実際の経営を知っているバンカーになるためにも、若いころから2、3社融資先に入って経営を経験したいというバンカーも少なくない。

私は出向の決まった半沢直樹氏に申し上げたい。市場に溢れている担保付融資しか知らないキャリアより、融資に加えて会社のオペレーションも経験している人のほうが、コンサルなり企業経営なり、キャリア展開の幅が広がる。ついに出向が決まった半沢直樹氏だが、グローバルエリートからは“これを機会ととらえてさらなるキャリアアップを狙ってほしい”と励ましたい。

なお、そもそも日本の銀行には志も能力も高い立派な人もたくさんいるのに、このドラマでメガバンクの銀行員の方々が不当に誤解されないか心配でもある。

“うざいよオマエ”というお叱りの声が聞こえてきそうであるが、太っちょコラムニストによる “野暮”な突っ込みはこのくらいにしておき、以下ではドラマ「半沢直樹」に関して、面白いと思う点について語らせていただこう。

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