来年の就活、企業は「ここ」を変えてくる インターン直結が鮮明、3月前倒しは当たり前

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インターンシップ実施企業のタイプ(期間、複数回答可)は、2019年卒で「半日程度」が19%、1日程度が46%で、半数程度が、いわゆる「1Dayインターンシップ」を開催していることになる。ただし、「2~3日程度」(19%)、「1週間程度」(26%)、「2週間程度」(17%)、「3週間~1カ月程度」(3%)、「1カ月以上」(5%)と、数日間や長期間のインターンシップを行っている企業も多い。

もっとも、今年(2019年卒)の調査では、「今年から1Dayインターンシップを始める」という企業が約3割を占めている。経団連が、採用に関する指針に記載していた「インターンシップは5日間以上」という、日数規定の文言を廃止した。これは大きな方針転換であり、企業が新たに1Dayインターンシップを開始する動機付けになっている。

もはやインターンシップは選考活動の場

「インターンシップがキャリア教育に有益」という点については、多くの識者の意見は一致するが、「インターンシップと採用選考」の関係についてはいろんな意見がある。

経団連はインターンシップを、「採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある」、「選考活動につながるような1日限りのプログラムは実施しない」、と規定している。しかし、実態は異なる。

企業向けの調査で、「インターンシップの選考への活用意向」を聞いてみたところ、「インターンシップ参加者だけを選考対象とする」企業は8%だが、「インターンシップ参加者のうち、優秀な学生は考慮する」企業は最多の50%にも達した。「インターンシップ参加者には採用情報を提供する程度で特に考慮しない」企業は30%で、インターンシップ参加者を一切考慮しない」とする企業は3%にすぎない。

人と人との出会いは縁を生む。企業と学生が向かい合うインターンシップでは縁も生まれる。よい印象の学生に対して親切になるのは当たり前のことかもしれない。若手社員にインタビューすると、夏のインターンシップに参加し、そのまま翌春に内定を得た学生はかなり多い。

インターンシップの歴史について考察してみたい。広辞苑はインターンシップについて、「実務能力の育成や職業選択の準備のために、学生が一定期間、企業等で仕事を体験する制度」と説明している。発祥の地はアメリカであり、20世紀初頭からの歴史がある。しかし、日本での歴史は浅い。

国がインターンシップを推進する姿勢を明確にしたのは1997年のことで、国が作成した「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」には、インターンシップはキャリア教育や人材育成において有用と、積極的な意義を認めている。

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