職場での飲みへの誘いを警戒する20代の心理 飲み会は「仕事」か?「プライベート」か?
「飲み会」はこのように、働き方改革の中でやり玉に上がりやすいものですが、実際には、若い人であっても酒席を必ずしも敬遠するという人ばかりではありません。むしろ、オッサン世代のほうが気を使って、「もし、良かったら飲みながらでも話そうか……いや、別に昼間に会議室で話してもいいんだけど……」と恐る恐る誘うのに対して、「いえいえ、もちろん、ぜひぜひ」みたいな場面に出くわします。若者は飲み会自体を拒否などしていません。
一方、嫌がられたり、断られたりしているオッサンもいます。この違いは何か。考えてみれば当然の話ですが、結局、「飲み会だから嫌」というよりも、「あなたと飲むのは嫌」、ということではないでしょうか。そうでなければ、その若者はどんな飲み会でも断るはずです。しかし、そうはなりません。つまり、単にあなたが若者から「飲みニケーション」を断られているのは、参加するに値しない「つまらない場」だと思われているからです。
20代だって飲み会が面白ければ、公私なんて関係ない
それを我々オッサン世代は、「若者は飲み会を嫌っている」「飲み会が仕事かどうかなんて聞きやがる」と非難するのですが、それは自分が若者にとって面白い存在ではないことに気づくことから逃れて、自分のか弱い心を守ろうとしているのでしょう。しかし、現実は直視しなくてはいけません。
もし、若者に酒席を断られてしまったら、彼らにとって面白い人間になるように努力するか(私は個人的にそんなこと必要ないと思いますが……。オッサンはオッサンであることに誇りを持てば良く、媚びる必要などありません)、あるいは、彼らは自分たちにはお酒の席のような公私の曖昧な時間を使ってはくれないと諦めて、明確な勤務時間中にオフィシャルに話をすれば良いと思います。ただ、その場合は、お酒の力を借りられないので明確なロジックやファクトをもとにした、納得性の高い話をしないと、若者にまたそっぽを向かれてしまうのでしょうが……。
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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