「高齢化社会は食の市場が30年成長し続ける」 シルバーライフ社長にロングインタビュー
清水:彼らに製造が出来れば高齢者向け配食サービスに参入することも可能だとは思いますね。ただ、我々はそうならないようにダブルチェーンモデルでまず店を出し、シェアを獲得するということをやっているんです。この業界はスケールメリットがかなり強めに出るんです。仕入れから製造を一括で行うことによる効率性の高さに加え、店舗密度が高まることによる店舗間物流の効率性向上で大きく優位に立てます。こういった日常食の業界では、どちらがより良いものをより安く出せるのかが完全に差別化要因になるんです。だから、後から参入してきた他社さんに対しては競争力が違うとは言えると思います。
朝倉:『成長可能性に関する説明資料』の中でシルバーライフの特徴として、チェーン店内の競争戦略という部分がありますが、この競争政策もシェアを獲得することにつながっているということでしょうか?
清水:我々のチェーンではどのお店も配達エリアは自由に拡張できます。加盟していただく時点で、他のお店が来るかもしれないということに納得できる人だけ加盟してくださいと説明しています。シルバーライフ同士で競争が起きることで、他社との競争においても我々の店舗のほうが生存確率は高くなると考えているからです。
小林:競争原理が働くことで、売上が上がっていない店舗が自然と抜けていくということも狙っているんですか。
清水:そうですね、意図的にそうしています。営業系の業界でもあるので、オーナーさん個人の積極性のあるなしがその店の売上に関わってきます。腕次第でどこまでも伸ばせる状況なので、それに魅力を感じる人は有力な店舗になってどんどん伸びていって欲しいですね。私自身が店長だったときには「あのエリアを俺にやらせてくれればもっと売上あげられるのにな」と思っていましたから。
村上:最終的にすごく有望なフランチャイズが出てきてもいいとお考えですか?
清水:オーナーさん同士が切磋琢磨していってチェーン全体を盛り上げていって欲しいですね。
積極的な設備投資でスケールメリットを追求する
小林:工場に投資しようとされた時点ではそこまで店舗数は多くはなく、リスクがあるタイミングだったと思うんですが、それでも踏み切られたのはなぜだったんですか?
清水:そこでアクセルを踏まないと大手に参入されてしまうと思ったからです。今も頑張ってアクセルを踏んでいるつもりなんですが、それでも不十分で焦っています。本当は3年前にこういう状況を作っておきたかった。
村上:上場されたのも、資金力を高めて成長のスピードを上げるためですか?