巨大ターミナル「新宿」は50年でこう変わった 超満員「酷電」の時代には騒乱もあった
ここで新宿を発着する名列車についても述べてみたい。昭和40年代、筆者の愛用した列車は周遊券が使えた急行「アルプス」で、特に夜行の「アルプス」を利用しては大糸線や中央西線などを走る信州の蒸気機関車を追ったものだった。
当時から現在まで走り続ける新宿駅発着の特急列車と言えば、なんといっても新宿―松本間を結ぶ「あずさ」であろう。「あずさ」は1966(昭和41)年にボンネット形の特急車両181系を使用して登場、1日2往復の運転を開始した。
一躍、誰もが知る有名な列車となったのは、1977(昭和52)年に狩人が歌った「あずさ2号」の大ヒットだ。JR化後の1994(平成6)年には振り子式のE351系による「スーパーあずさ」が誕生。2002(平成14)年には「あずさ」全列車が国鉄時代からの183系・189系からE257系に交代し、現在定期列車は「スーパーあずさ」「あずさ」を合わせて18往復が走っている。
2017(平成29)年12月23日からは、新型電車E353系が「スーパーあずさ」に投入され、E351系も引退が近づいてきた。新宿駅を発着し、東京と信州を結ぶ名列車も時代とともに姿を変えていく。
巨大化する新宿駅の今後は?
国鉄時代と比べ、現在は新宿から直通で行ける範囲が大きく広がった。国鉄末期の1986(昭和61)年3月に埼京線運行区間が延伸されて埼玉から直通できるようになり、以後JRに移行してからは「湘南新宿ライン」で北関東や湘南方面へ、成田空港や東武線日光方面への直通特急発着と、一大ターミナル化を遂げた。
駅の巨大化によって、構内はまるで温泉旅館のような継ぎ足し建築の様相を見せているが、2016(平成28)年春にオープンしたバスタ新宿は駅舎をもうひとつ建て増したような形となり、新宿は文字通り東京の陸上交通の大ターミナルと化している。
新宿駅は今後も進化を続けていくだろうが、JRが一通りの発展を遂げた今、その大きなカギを握るのは、新宿駅に乗り入れる私鉄、地下鉄各社の動向といえるのではないかと思う。これらについても、機会があればまた述べたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら