世界の独裁政権に共通するリーダーの挙動

国際社会から批判されても支持率高い国も

「民主党政権だけはもう懲り懲り」という前政権に対する国民の強い失望感と安定志向を背景に安倍政権は誕生した。アベノミクス、三本の矢、新三本の矢、地方創生、一億総活躍社会、働き方改革など、安倍政権は次々と看板政策を掲げ、わかりやすいキャッチフレーズを駆使して、具体的な成果はさておき、国民の期待感と高い内閣支持率を維持してきた。

アメリカ議会やハワイの真珠湾で演説したり、オバマ前大統領を広島に呼び寄せたり、プーチン大統領と何度も2人きりで面談したり、トランプ大統領に各国首脳を差し置いていの一番で面会したりと、外交面でも強いリーダーシップを国民に印象づけてきたし、舞台裏では仕事人の官房長官が「反安倍」の動きを徹底的に封じ込んできた。結果、政権5年目を迎えても高い支持率を維持したまま、野党にも党内にも敵なし「安倍一強」体制が出来上がったのだ。

しかし、長期政権は必ず腐敗、堕落する。「お友達か思想信条が同じ人かイエスマンの3パターン」(自民党の村上誠一郎議員が安倍政権の人事を評した言葉)で固めた安倍政権の驕り、緩みが一気に露見したのが、2017年に吹き出した森友学園問題であり、加計学園問題である。いずれの問題も震源地は安倍首相自身であり、「家庭内野党」を標榜していた総理夫人だ。

「この道しかないというのだからやらせておこう」と一任ムードだったアベノミクスが奏功して日本の経済状況が好転していれば、あるいは許容範囲だったかもしれない。しかし、三本の矢(デフレ脱却)も新三本の矢(一億総活躍社会)も的を射ることなく、アベノミクスのまやかしが誰の目にも明らかになりつつある状況で、安倍首相と思想信条を同じくする学校経営者と「腹心の友」の学校経営者ばかりに「神風」が吹けば、疑惑の目が向けられるのは当然だろう。

安倍首相は加計学園理事長を「腹心の友」と呼ぶ

森友学園との関係を問われた安倍首相は「認可や国有地払い下げに関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞める」と国会答弁しているから、本当に知らなかったのかもしれない。しかし、少なくともお友達やイエスマンや役人が「官邸の最高レベル」の意向を忖度(そんたく)して動いていたのは間違いない。

加計学園が国家戦略特区に獣医学部の新設を申請していることについて、「(加計学園の申請が国家戦略特区諮問会議で正式決定した)2017年1月20日まで知らなかった」という安倍首相の国会答弁はにわかに信じがたい。安倍首相は加計学園理事長の加計孝太郎氏を「腹心の友」と呼び、ゴルフや会食を重ねる間柄だ。しかも安倍首相は国家戦略特区諮問会議の議長である。

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