三菱ふそうが100億円の国内投資に動く理由 電動化やコネクテッドで商用車を進化させる

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三菱ふそうトラック・バスは、12月5日、川崎工場で「QM Facility」の落成式典を開いた。部品や材料の品質管理や走行車両のデータ解析を行う。左から3番目がマーク・リストセーヤ社長(記者撮影)

「品質がこの業界で差別化をする最大の要素だ」。

三菱ふそうトラック・バスのマーク・リストセーヤ社長は12月5日、川崎工場に新設した「QM Facility」の落成式典で高らかに宣言した。この施設は、トラックやバスの部品、材料の品質管理やチェックを行う最先端の設備を備える。また、走行車両のデータをリアルタイムで収集・分析して、部品の不具合などを早期発見する機能も有する。

新社屋建設と生産設備刷新を同時に実施へ

三菱ふそうは、川崎工場の生産設備を2018年末メドに刷新し、増産体制を構築する(写真:三菱ふそう・トラックバス)

品質マネジメント施設への投資額は約14億円。11月15日には約94億円を投じて新社屋「プロダクト・センター」の建設と、川崎工場の生産設備刷新などを行うことを発表した。新社屋は研究開発や設計機能を併せ持ち、新工場は自動化設備や作業ロボット、物流管理のITシステムなど最新の機能を備える予定で、どちらも2018年末の完成と稼働を見込む。総額100億円以上の大規模投資を行う狙いはどこにあるのか。

国内の商用車メーカーではいすゞ自動車、日野自動車の「国内2強」に続く3番手の三菱ふそう。2003年に三菱自動車のトラック・バス部門が分社化して設立された。翌2004年にダイムラー・クライスラーの商用車部門に統合された。現在はダイムラーが株式の9割近くを保有し、商用車販売で世界首位のダイムラーグループのアジアにおける中核企業の役割を担う。

三菱ふそうは国内では川崎工場でトラックを製造、バスは富山工場で生産する。川崎工場では小型・中型・大型トラックを製造し、世界160カ国以上に輸出。約7割が完成車として国内外に出荷、約3割が部品などを世界14拠点の組立工場に送り、現地で最終組み立てされる。

2016年に世界で販売した商用車は14万4000台(一部ダイムラーのインド子会社の数値を含む)で、そのうち国内が約3割の4万6000台を占める。同社では世界販売台数を2020年に、現在の5割増の22万台に引き上げる目標を掲げる。そのためにも、川崎工場の自動化など設備を刷新し、生産性を高めて、増産体制に備える必要があった。

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