「上から目線」の経営者が嫌われるのは必然だ タテ型社会は崩壊し、ヨコ型社会に変わった

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まだ、いろいろタテ型社会からヨコ型社会に転換した理由はありますが、とにもかくにも、ヨコの時代ということになれば、脅迫、命令、管理などで、組織を維持していくことは不可能になるばかりでなく、これからの時代、完全にタテ意識を払拭しなければ、組織維持、経営維持もできなくなります。そのことを経営者は、しっかりと認識理解しておくべきです。もはや、傲慢な指導者は否定されます。上から目線の社長、上司は拒否されます。

どれほど技術が進歩し、情報化が進もうと

タテ型時代のリーダーシップが通用しなくなったということで、しかし、少数精鋭といえども、何人かの人たちを集め、「経営」をしていくということになれば、そこには、どのように組織をまとめていくべきか、どのように会社を発展させていくべきか。技術がシンギュラリティを通過しても、やはり「人間の問題」は残る。人間同士の関係は残るでしょう。そのようなことを考えると、やはり、究極、指導者としての、社長としての、上司としての「人間」そのものが問われる、いや、今以上に、「人間の資質」が求められることになるでしょう。要は、指導者なり、社長なり、上司に、「人間的魅力があるかないか」ということが、最終的な経営課題になってくるだろうということです。

どのように技術が進歩し、どのように情報化が進もうと、引き算をして、さらに引き算をして、最後に残るものは「人間」ということは、今日までの人間の歴史を振り返れば、すぐに理解できます。ある宗教は2000年前に、砂漠の中から生まれてきました。また、ある宗教は、四門出遊、路上に横たわる生老病死の中から生まれてきました。

例外はあるものの、多くの国や地域で高速道路が走り、地下道が張り巡らされています。これからは、鉄道がリニアモーターカーへと変わり、あるいは、無人自動車が走るような時代になります。そのような機械全盛の時代になっても、多くの宗教が人々の心の中でなお生き続けているのは、なぜでしょうか。それは、多くの人たちが、宗教に、生の意義を問い、人生の意味を求めているからです。人間の能力をはるかに超える技術が次々に生まれていますが、どのような時代になろうと、「人間の問題」は残り続けます。リーダーたるものは、「片手に超・情報知識、片手に人徳」を持って日々の生活を送る心掛けが必要になってくるでしょう。

今まで以上に、社長や上司などのリーダーは、自らを律する努力、人間として正しい言動をすることが問われます。公私、金銭、人間関係において厳格にケジメをつけるなど、日々の行動で実践し、人間としての徳を積み上げていくべきです。それによって、リーダーよりも最新の知識を持っている若い人たちが相協力し、1つの方向に向かって進んでいくような、風通しのいい、希望に満ちた組織が醸成されていくと思います。

タテ思考は、経営者のみならず、組織全体、会社全体に不幸な結果をもたらします。そのためには、リーダーが、「片手に超・情報知識、片手に人徳」を心掛けるべきです。

江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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えぐち かつひこ / Katsuhiko Eguchi

1940年名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒。政治学士、経済博士(中央大学)。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器産業株式会社理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長など歴任。著書多数。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。

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