「就活に成績は関係ない」はすでに時代遅れだ 年々広がる「履修履歴面接」という新常識
これらの答えからは、それぞれの学生が「どのようなときに真剣になるのか」が凝縮されています。
どのようなときに真剣になる学生がほしいか、どのようなタイプが向いているかは、企業によって異なるでしょう。大切なのは、この質問によってエピソード面接では語られない学生の資質を見極めることができることです。結果として、学生と企業の「ミスマッチ」を防ぐことができるのです。
学生と企業の「化かし合い」を排除できる
エピソード面接では、語られたエピソードが事実なのか、それとも「盛っている」のかを判断するのは簡単ではありません。経験を積んだ面接官ならある程度の確度で判断できますが、それも100%ではありません。
一方、履修履歴は、教官がつける客観的な事実です。ウソが混じる余地はありません。
たとえば、これからの事業拡大のため、統計学の資質をもった学生がほしいとしましょう。履修履歴を見れば、統計学の単位を取ったかどうか、その成績がどうだったかがわかります。これは非常に大切な「客観的事実」です。
ただ、仮に成績が「A」であったとしても、その授業の成績評価が厳正に行われているのか、だれにでも良い成績をつけているのかがわからない、と思われるのはないでしょうか。
ここに、同じ学年の12万人もの成績表をデータ化した「履修履歴」データの強みがあります。12万人ともなると、複数の学生が同じ授業のデータを登録するため、「A」を取った学生が何%いるかが可視化されます。つまり、その授業の「難易度」がわかるのです。
実際、2018年卒の学生の場合、10人以上の学生が登録した授業数は約14万3800。そのうち、4段階換算で最高評価が30%以下、かつ最低評価が10%以上の授業の比率は約32%でした。
当たり前と思われるかもしれませんが、大学・学部によって、卒業の難しさや成績評価の厳しさは大きく違います。ですが、実際の厳しさは、外部からはなかなか判断がつきません。しかし、データ化された「履修履歴」を見れば、大学・学部ごとの評価の厳しさがわかります。
簡単に単位を取得できる授業が多い大学であれば、卒業が楽なので多くの時間を自分のしたい課外活動に使うことができます。多くの授業で厳正に評価している大学では、多くの時間を学業に使う必要があります。
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