「僕もう営業辞めたい」禅僧からの2つの答え

営業マンの悩みを、直哉さんに相談してみた

もう一人、自分が大好きな自動車を作っているメーカーで、営業を担当している方がいます。彼は全ての車種とはいかなくても、自分が乗って惚れ込んだ車については際立った営業成績を上げています。

驚くのは、お客さまの話を聞いて「それならば、この車の方が良いですよ」と他社製品を勧めることもあるというのです。ところがその誠実な姿勢がお客さまに信頼されて、「いいよ、あなたから買いたいから」と言われるのだそう。

彼はきっと「売りたい」車ではなく、この人なら「乗るべき」と思える車を売っていたのでしょう。人間は「やりたい」ことではなく「やるべき」こと、自分自身の「価値」に合ったことを行うときこそ、自分にプライドを持ち、最も力を発揮することができるのです。

あなたの悩みは、まさに価値に関わる問題です。「売るべき」ものが他にあると知っている。「お客さまを騙しているようで心苦しい」とまで感じている。とても誠実で、「良い仕事がしたい」と思うタイプの方なのでしょう。

打つ手は2つ

ただし、これも打つ手は2つだけです。1つは、「売るべき」ものを売ることができる会社に転職する。もう1つは、商品開発の人間を説得する。つまり、自分がプライドを懸けて売れるものを会社に作ってもらうのです。丁寧に自分でデータを集めて、繰り返して提案していけば、いつか誰かの目に留まるはずです。

もちろん転職するのも、社内を説得するのも、簡単に成功するとは限りませんが、価値の問題は、その人の生き方に関わるとても大切なものです。すぐに結論が出せなくても、目をそらさず、しっかりと向き合ってほしいと思います。

(取材・文/瀬戸友子 写真/大室倫子(編集部)) 

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