楽天が人気プロスポーツを支援する深い理由 三木谷社長が描くブランド戦略の中身とは?
山田:昨年11月にはFCバルセロナに4年間275億円、今年9月にはゴールデンステート・ウォリアーズへ3年間66億円という大規模なスポンサー契約を発表しました。金額が大きいものですから、どういう計算のもとにやっているのか気になります。
三木谷:バルサにウォリアーズ。象徴的なクラブとパートナーシップを結びました。金額としては大きく感じるかもしれませんが、テレビコマーシャルまで入れれば、メーカーさんってもっと使っていますよね。たとえばトヨタは年間に世界で宣伝費をいくら使ってるのか、といえば何千億円も使っている。楽天にはトヨタみたいに巨大なマーケティングの予算があるわけじゃない。
年間のバジェットが100億円だとして、いちばん有効に使うとすればどうすればいいか。そんな場合の方法としては今回、最高のやり方だと思います。何しろヨーロッパでバルサ、アメリカでウォリアーズという最高のクラブとパートナーシップを組むことができたわけですから。
山田:スポンサーシップではなく、パートナーシップと呼んでいますね。
バルサの試合は1カ月に20億人以上が視聴
三木谷:単純に今までのメーカーさんがやってるようなかたちで、ロゴを載っけるだけじゃなくてね、実際のアクティベーションみたいなことも、インターネット企業ですからうまく一緒にできるという意味では、パートナーです。本当に安いくらいだって感じですよね。これから、すごく値段上がると思います。もっと。
山田:楽天がパートナーになったことによって、クラブの価値も上がる、と。
三木谷:そうです。これからはバルサのファンクラブのIDも楽天のIDのプラットフォームの上に載っていきますからね。IDを一緒にするわけではありませんがバルサの3億人のファンが、1クリックでファンクラブの会員になれるようにしていく。これだけでも、クラブの価値は大きく上昇すると思います。
バルサの試合は1カ月に20億人以上が目にします。それがあの金額ですから「テレビコマーシャルに比べると相当お買い得だったね」ということだと思うんですよね。
山田:バルサはインドネシアなどアジアにもファンが多い。
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