楽天が人気プロスポーツを支援する深い理由 三木谷社長が描くブランド戦略の中身とは?

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三木谷:音楽には大きな力があると思っています。クラシック音楽だけでなく、ロックでも、ポップでも、積極的に支援していきたいと考えています。

山田:サッカーの場合には楽天のテクノロジーを使って革新をもたらすパートナーという関係になると思うんですが、オーケストラも変革していきますか。

X JAPAN YOSHIKIとの共演を実現

三木谷:変えます。たとえば、X JAPANのYOSHIKI君と僕、個人的にむちゃくちゃ仲いいということもあり、東フィルと一緒にニューヨークのカーネギー・ホールでコンサートをやりました。こういうのも、たぶん私が理事長になるまでは、なかなか難しかったと思うんですよ。

それから、われわれのグローバルブランディングというところにおいても楽天がスポンサーになって、東フィルが海外でどんどんコンサートやっていってるというようなことも発信しています。で、今後、音楽を配信していくとか、そのうちにいろんなことも出てくるんでしょうね。AIを音楽に持ち込んだらどうなるか?という議論もあります。

山田:ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールをご存じですか。

三木谷:知りませんが、どういうものですか。

山田:ライブで世界中にコンサートを配信しているんですよ。彼らが行う定期公演の中から、いくつかの公演が生中継で配信されるわけです。今、インフラ部分はIIJがやってるんですよ。

三木谷:そうなんですね。そういうの日本にもつくってほしいですね。日本にもつくってくださいよ。

山田:そう思いますよね? ですから東フィルのデジタルコンサートをやったらどうでしょうか。アジアって特に東南アジア、オーケストラのレベルが本当に低いところがあるので意外にファンが広がるような気がしますよね。

三木谷:なるほど。それ1回、じゃあ、勉強します。

山田:事務局は配信をするとコンサートに来なくなっちゃうという心配をするでしょうし、お年を召した定期会員の中には「ネットで公開するなら辞めるぞ」という声も出てくると思います。でも、若い人たちをコンサートに呼び込むためには、絶対にネットにも公開するべきですよ。

三木谷:そういうのを突破できるのは、私が理事長やってるときですからやっていきたいですね。

山田:東フィルがやってうまくいけば、在京オケはみな追随するかもしれません。私はクラシック音楽が大好きで趣味でオーボエを吹いております。コンサートもよく行くので、ネットでのライブはうれしいです。

三木谷:こうした活動は楽天のブランディングのうえで本当に大事なことです。タイのレッドブルはエクストリームスポーツで、いろいろなスポンサーをすることで世界的なブランドになった。楽天は、もう少し広く親しまれるスポーツとか、それから身近なエンターテインメントというものを軸にしてブランディングしていきたいというふうに思っています。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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