ジーンズメイトが迷い込んだ“隘路” 5年連続で営業赤字の理由

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ジーンズメイト(JEANS MATE)。「EDWIN」や「Levi's」などジーンズを核にしたカジュアル衣料を販売する小売チェーンだ。東京都や神奈川県など首都圏を中心に展開し、一部店舗では24時間営業を行うことでも知られ、東証1部にも株式上場している。そのジーンズメイトが、長らく業績不振に陥っている。

ジーンズメイトは9月13日、今年度(2014年2月期)の業績予想を下方修正した。本業の儲けを示す営業利益は、従来2000万円の黒字(前期は1億5900万円の営業赤字)を見込んでいたが、4億円の営業赤字に陥る見通しだ。2009年2月期以来、5年ぶりに黒字転換する見込みが外れ、5年連続の営業赤字を強いられる。近年は不採算店舗の撤退や早期退職の実施、本社移転などのリストラ策を進め、徐々に赤字幅を縮めてきたが、今年度は逆に赤字幅を広げてしまうのだ。

1990年代には「急成長ベンチャー」として注目

ジーンズメイトは岡山県児島市(現倉敷市)創業の衣料品製造卸「西脇被服本店」が前身。その後、ジーンズ主体の小売業態を確立し、1990年代には「急成長を遂げたベンチャー企業」として注目を集めた。

そんなかつての有望企業が、近年、赤字から抜け出せないのはなぜか。理由は、アパレル業界における競争力の低下にほかならない。

今年度は、春夏の主力商品であるTシャツやポロシャツの販売が不振で、2013年3月から8月までの6カ月間累計の既存店売上高は前年同期比6%減。セール販売を前年以上に余儀なくされたことから、利幅も大幅に悪化している。天候要因もあるが、競争環境の厳しさが拍車をかけている。

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