またミサイル!北朝鮮は「第2のキューバ」へ 核ミサイル問題は何十年もの膠着状態が必至
北朝鮮が11月29日未明、3度目となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。十分に予想されていたことで、驚くに値しない。アメリカのドナルド・トランプ政権が20日、北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再指定したことに対し、北朝鮮は「わが国に対する重大な挑発であり、乱暴な侵害である」と反発、新たな軍事的な挑発の可能性を示唆していたからだ。
韓国軍や防衛省の発表によると、今回のICBMは、通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、過去最高の高度約4500kmに到達。約960km飛行して青森県西方約250kmの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定される。飛翔時間は過去最長となる 53分間に及んだ。
日米韓の防衛当局は、すでにこのミサイルについて、ICBMだとみなしている。一般的に30分以上も飛翔すれば、射程距離5500km以上と定義されるICBM級の弾道ミサイルとみられる。
軽過ぎる核弾頭はモック(偽物)の可能性も
今回のICBM発射は、7月28日の2度目のICBM発射と同様、深夜未明での実施となった。北朝鮮による弾道ミサイル発射は9月15日以来で、今年に入って15回目。北朝鮮は弾道ミサイルの発射場所を1カ所にとどめず、移動式発射台などを使い、転々と移している。今回の発射場所となった、北朝鮮西部の平安(ピョンアン)南道平城(ピョンソン)付近は今年9カ所目で、初めての発射場所だ。
7月28日のICBMの発射後、北朝鮮の国営メディアは金正恩朝鮮労働党委員長が現地で発射を指導し、「任意の時刻、場所から、ICBMを奇襲発射できる能力を誇示した。米全土がわれわれの射程内にあることがはっきり証明された」と語ったと報じた。今回のミサイル発射後の11月29日正午には朝鮮中央テレビが、新型のICBM「火星15」の試験発射に成功した、との政府声明を正式に発表。火星15は「米本土全域を攻撃できる」と報じ、北朝鮮が試射に成功している「火星14」より戦術技術的能力で優れているとした。
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