念願の消費財業界でさらに人事の仕事にのめりこんでいった島田さん。そんな彼女でも、役員を打診されたときは戸惑いがあったようだ。
「これも直感ですが(笑)、若い頃なんとなく40歳までに人事部長になりたいという夢を持っていました。39歳で、念願の消費財メーカー、しかも大好きなユニリーバでそれが実現するなんて、本当に嬉しいと思いました。ところが、前任者からこのことが同時に『取締役』への就任を意味すると伝えられ、ビックリして『そんな大それたこと、自分にはできない!』と思い、あまりの重責と不安から、その日家に帰って大泣きしました」取締役なんて、自分には絶対無理だ。知らず知らずのうちに、自分に“枠”をはめてしまっていた。
息子の一言で開眼、仕事の喜びを再認識
そんなとき、当時小学生だった息子の発した一言に島田さんは救われる。
「ママはママらしくやればいいんじゃないの?いつも人にそう言ってるじゃん」その言葉で、島田さんの視界がパッと広がった。
「仕事が忙しいとき、息子に対して『ごめんね、行ってくるね』『ごめんね、遅くなっちゃったね』という具合に、無意識に謝ってしまっている自分にふと気づいたんです。『ごめんね』と言うのをやめて、私らしくいることを大切にしようと思いました。それと同時に、改めて『自分にとって仕事とは何か?』を考えました。
そして、仕事は『私が私らしく笑顔でいるために必要なもの』だとわかったとき心の底から仕事を続けることを喜びとともに決められました。息子の言葉によってその喜びを改めて思い出し、取締役をやろうと心が決まりました。息子にはいつも『ママはこの仕事がとにかく大好きで、本気で世界を変えてやろうと思ってやってるからヨロシク!!』と伝えたんです。息子にしてみれば、『そう言われても』という感じかもしれませんが(笑)」
やる前から、できないと決めつけなくていい。自分の気持ちに正直に、とにかくやってみよう。そうすると、思った以上に世界は変わるから!島田さんはそう勇気づけてくれる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら