独立して失敗する人は期待値がわかってない どうせやるなら勝率の高いゲームをやろう

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この「3万5000円」が、サイコロゲームの期待値になります。

こうして期待値を把握すれば、自分がこれから行動した結果を、数字でイメージすることが可能になります。つまり「大数の法則と期待値」は、次に取るべきアクションを意思決定するための判断材料になるのです。

「起業して成功する確率とその期待値」を計算すると?

では、「起業すべきかどうか」という悩みを、「大数の法則と期待値」に当てはめて考えてみましょう。

大数の法則を理解すれば、「起業後に成功する確率とその期待値」は簡単に計算できます。

日本で1年間に起業する会社の数は、2012年から2014年の年平均18万0429件です。年によっては、20万件を超えることもあります(中小企業庁 2017年版「中小企業白書」より)。

一方、新規に株式を上場した会社は、2016年でわずか83社。東証1部・2部だけでなく、マザーズやジャスダックを含めての数です。つまり、「起業して成功する=株式公開する」と設定した場合、大当たりする確率はおよそ「80件÷20万件=2500分の1」となります。

よくベンチャー投資の世界では、「せんみつ(1000のうち3つしか当たらない)」と言われますが、実際はそれよりもずっと確率が低いということです。「期待値=起業した場合に見込める結果」を計算してみましょう。

ベンチャー企業が株式公開する際、その多くが企業評価額は100億円ほどです。オーナー社長が株式を51%保有するとして、資産総額は51億円。先ほどのサイコロゲームに当てはめると、「当たりの目が出たら、51億円もらえる」ということです。

では、ここから期待値を導き出すと、どうなるか。

答えは、「51億円×2500分の1=約200万円」です。実際に起業して株式公開しても、社長が手にできる資産は、たった200万円しか期待できないということです!

しかも、自己株ですから、使うために現金化できるのはそのうち何割もいかないでしょう。つまり、数十万円の現金収入の期待値にしかなりません。

一方、企業に就職した場合は、どうなるでしょうか。国税庁の民間給与実態統計調査によれば、民間企業に勤める人の平均年収は、ここ10年ほどは400万円から420万円の間で推移しています。

仮に年収400万円がもらえるとして、10年間辞めずに働けば、得られるおカネは4000万円。この時点で、期待値は起業した場合の20倍に達します。

次ページベンチャー企業を創業するという選択は…
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