日本人が知らないカンボジアの強権化と独裁 現地取材したジャーナリストが実態を告発

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現政権のフン・セン政権による強権政治、独裁化が進んでいる
さまざまな社会問題と向き合うNPOやNGOなど、公益事業者の現場に焦点を当てた専門メディア「GARDEN」と「東洋経済オンライン」がコラボ。日々のニュースに埋もれてしまいがちな国内外の多様な問題を掘り起こし、草の根的に支援策を実行し続ける公益事業者たちの活動から、社会を前進させるアイデアを探っていく。

カンボジアといえば、1970年からカンボジア内戦が始まり、ポル・ポト政権化では大量の虐殺が行われました。3年8カ月余りで、少なくとも当時の国民の4分の1にあたる、およそ170万人が殺害されたといわれています。ポル・ポト政権崩壊後は、1993年にカンボジア国民議会選挙で民主政権が誕生するなど、民主化を進める動きが丁寧に積み重ねられてきました。

しかし、今、これまでの努力は何だったのかと思うような事態がカンボジアで起きています。現政権のフン・セン政権による強権政治、独裁化が進んでいるのです。報告会を前に、カンボジア在住のフォトジャーナリスト・高橋智史さんに、堀潤がお話を伺いました(2017年11月16日)。

フン・セン政権の強権化。メディア弾圧に最大野党解党

本記事はGARDEN Journarism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

:高橋さん、よろしくお願いします。

高橋:よろしくお願いします。

:高橋さんがカンボジアの取材を始めたのは今から何年前ですか?

高橋:2003年が初めてなので、来年で15年になります。

:高橋さんが日本に一時帰国されていた11月1日にもお話をお伺いしました。「カンボジアの状況を知っていますか?」とわざわざ私の事務所を訪ねてくださり、2時間ほどお話を聞かせてくださいました。私も恥ずかしながら知らなかったカンボジアでの人権抑圧の現状や、強権化した現政権の横暴な振る舞いに驚くばかりだったのですが、その際の内容はしばらく公にするのは控えていました。というのも、高橋さんがその後再びカンボジアに戻った際に、取材活動に制限が加わったり、最悪の場合、自国にとって不利な情報を流したと逮捕されてしまったりすることがないよう、配慮するためでした。ジャーナリストたちの活動も制限を受けるほどの状況で、非常にセンシティブです。高橋さんは今回、カンボジアでの取材から再び日本に戻って来られ、実名、顔出しで告発すると覚悟を決められたとのこと、こうして私も共に発信ができるようになりました。

高橋:そうですね。そう決意しました。

:今、強権化が進んでいるということですが、カンボジアで具体的に何が起きているのでしょうか?

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