レイプ裁判、「被害者の匿名性」は守られるか 匿名性が正当化される3つの状況とは?
[11月15日、ニューヨーク(ロイター)] - カリフォルニア州の1人の女優が14日、ハーヴェイ・ワインスタインとワインスタイン・カンパニーを告訴した。女優はワインスタインが制作するテレビ番組での配役について話し合うために、ミーティングに呼ばれた後、2016年ビバリーヒルズのホテルで、プロデューサーのワインスタインにレイプされたと主張した。
ワインスタインの代理人は、この訴訟を受けた声明で「本人は性行為の無理強いをはっきりと否定しており、口説いても拒絶した女性たちに対して報復的な行為は一切しなかったという確信をさらに強めている」と述べた。この声明によると、ワインスタインは自分の性的関係が、全て合意の上であったと思っていると述べていたという。
告訴した女優の名前は公表せず
14日に告訴した女優の実名は公表されていない。アレッド・モロコ & ゴールドバーグ法律事務所のグロリア・アレッドによって提訴された今回の訴訟は、彼女の本名を使用せずに、ジェイン・ドウ(身元不明の女性の仮名)としている。
ワインスタインの代理人は、この訴訟の申し立てに関する声明の中で、女優の匿名性はワインスタインが抗弁する能力を制限することになってしまうことを示唆していた。「ワインスタインが匿名の申し立てに対して、まともに話などできるわけないのは明かだ」という。
これは理に叶った指摘といえるだろう。米国の民事司法制度においては、「人目に晒されることになる」というのが告発の代償なのだ。数世紀に及ぶコモンローにおいては、裁判所記録の開示が想定されており、被告は自らのへの申し立てに反論する権利を持っている。通常、提訴することは、自分が誰なのか明かすことが必要となるのだ。
しかし、こうしたルールにも例外はある。