「そっくりスイーツ」超老舗が生んだ仰天技 社内会議で半数が商品化反対も、大ヒットに

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
どう見てもたこ焼きだが、中身はカスタードのシュークリーム(写真:虎屋本舗提供)

旅行や出張の楽しみの1つがお土産だ。日本各地の駅や売店でご当地の銘菓が激しい陣取り合戦を繰り広げている。そんな群雄割拠の土産市場で、ある商品がSNSなどで話題になっている。広島は福山の虎屋本舗が開発した「元祖 本物そっくりスイーツ・シリーズ」だ。

「どう見てもたこ焼き」のシュークリーム

この連載の一覧はこちら

同シリーズでは「たこ焼きにしか見えないシュークリーム」や「ざるそばそっくりなモンブラン」「うな重そっくりなミルフィーユ」「もしかして麻婆豆腐」など、見た目と味にギャップのあるスイーツを展開している。

1番人気のシュークリームは、表面にソースを模したチョコレートや花かつおに似せた削りチョコレートなどがトッピングされている。さらに中身はカスタードクリームにタコの食感を思わせるナタデココを入れるという徹底ぶりだ。その精巧な出来栄えから、マスコミに数多く取り上げられ、SNSとも好相性だった。

いわゆる「B級グルメ」として面白み先行の商品だが、意外なことに虎屋本舗は1620年創業の超がつく老舗だ。福山藩主に御用菓子を献上していたなど、その歴史は長い。丹波の黒豆、讃岐の和三盆などと並んで高級材料として知られる備後の白小豆を使った主力商品の「とんど饅頭」は地元では知らない人がいないほどのロングセラー商品として、今でも手土産の定番である。

次ページ菓子老舗から「ギャグ商品」が生まれた背景
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事