ゴア氏「日本は石炭火力支援をやめるべきだ」 地球温暖化対策で日本が今できることとは?
アル・ゴア元米国副大統領は地球温暖化対策の重要性を訴え続けている。しかし、ドナルド・トランプ米大統領は今年6月、温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から米国は脱退すると表明した。温暖化対策は後退してしまうのか。日本がなすべきことは何か。自ら出演した映画『不都合な真実2:放置された地球』の11月17日公開を前に来日したゴア氏に聞いた。
──「パリ協定脱退」を知ったとき、どのように感じましたか。
とても心配した。米国の脱退を理由に、ほかの国々も脱退するのではないかと恐怖すら感じた。しかし翌日には「パリ協定に残る」と多くの国々が表明してくれたので心底ホッとした。
米国では、カリフォルニア州やニューヨーク州など多くの州のほか、何百もの都市、何千もの企業のリーダーたちが「われわれは、まだパリ協定に残っている」と言ってくれた。米国法や国際法に従えば、米国がパリ協定を正式に脱退できるのは、2020年に行われる次の米国大統領選挙の翌日ということになっている。
トランプ氏と話すことはもうない
──トランプ氏の脱退表明にもかかわらず、米国の姿勢は変わらないのでしょうか。
今日現在、米国はパリ協定に合意した状態にある。2020年にトランプ氏に代わる新たな大統領が選ばれ、その新大統領が再びパリ協定に参加したいということであれば、その手続きをすればいいだけだ。
──トランプ氏とは、パリ協定脱退が表明される前に話す機会があったようですね。再び話し合いの場を持つことはありますか。
ないだろう。温暖化対策と気候変動を改善するために何をするべきか、自分の話せることはすべて伝えたし、彼も納得してくれたと思っていたが、そうではなかった。
──映画の中で「米国は温暖化対策あるいは気候変動対策において世界のリーダーであるべきだ」と語っていました。
私はそう願っている。米国は過去70年間、世界において重要なリーダーシップを発揮してきた。トランプ氏がそれをやめたいと思っても、多くの米国人はそう思っていないだろう。米国人は今、岐路に立たされている。トランプ大統領という「実験」を続けるのか、考えなければいけない。
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