希望の党は「玉木共同代表」で何が変わるか

「さわやかにスポーティにいきたいと思う」

そもそも代表選が終わった後、「ノーサイド」との言葉はよく聞かれた。2011年8月29日の民主党代表選で選任された野田佳彦氏が「みなさん、お疲れ様でした。ノーサイドにしましょう、これで」が最初の使用例だと言われている。前原誠司氏を選任した2017年9月1日の民進党代表選でも、その言葉はたびたび使われた。

しかしその実態は、果たしてノーサイドだったのかどうか。野田氏が最後を飾った民主党政権は国民からの評価は散々で、党内の不満も噴出。2012年12月の衆院選で230議席から57議席と大きく減らして惨敗した。

政治的キャリアに大きな傷を付ける危険性も

前原民進党代表に至っては民進党を分断し、やがては希望の党へ合流するという“禁じ手”を使った。その分裂劇では、排除する側と排除される側に分かれ、たとえば東京16区で元民進党の初鹿明博氏(立憲民主党)と田村謙治氏(希望の党)が立ったように、選挙区によってはかつての仲間同士が争うという事態も生じている。

果たして玉木氏が述べたような、綺麗な言葉ですむ問題なのか。勝利の報告会を覗いた記者は、その言葉に違和感を覚えたという。

「だいたい意味がわからない。あまりに現実からかけ離れている。バカじゃないかと思った」

さらに政党として視野の狭さも致命的だ。建て前は「政権交代を目指す」としながらも、今回の代表選は国会議員の間での投票という面にこだわり、街頭演説など国民にアピールすることは一切なかった。

また小池代表の息のかかる玉木代表では、党規約の改正を含めて希望の党が近代政党に脱皮できるのかどうなのかはわからない。現行の党規約では、代表は自ら辞任するか重病にならない限り、職を辞すことはない。さらに小池代表が他の役員2名のみで都民ファーストの会の代表を野田数氏から荒木千陽都議にすげ替えた事例があることから、創業者としての立場を強調する小池代表の権限を縛る必要も出てくるだろう。

玉木代表に課せられた問題は数多い。そのいずれも難題で、失敗すれば政治的キャリアに大きな傷を付ける危険性もある。

それを承知の上で共同代表に就任した玉木氏だが、その実行力はいかほどなのか。

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