「日本株はバブル」という人の根本的な間違い

「1989年の日経平均3万8915円」から離れよ

中野:藤野さん自身は、今の株高をバブルだと見ていますか。最近、今の株価もそうですし、社会情勢も平成バブルのときと類似しているという声が出ています。たとえば、六本木でタクシーが捕まりにくくなっているとか。

株価は「バブルの入り口」にも差し掛かっていない

藤野:株価に関していえば、バブルの「とば口」(入り口)でさえない、と思っています。今、株価が上がっているのは、企業利益が順調に伸びていることに加え、グローバル低金利が、株価を押し上げていると思います。

今、議論するべきなのは、企業業績がピークなのかどうかということでしょう。当然、企業業績がピークであれば、早晩、株価は下落に転じます。ただ、企業業績に関していえば、これからさらに加速してよくなるのではと思います。米国の企業業績も順調に伸びていますし、それがIT企業のような新業態ではなく、ボーイングやGEといったオールドエコノミー系企業でも顕著に見られるようになってきました。

渋澤:先日の16連騰についていえば、ショートカバーによるものが大きかったと思います。日経平均株価をTOPIXで割って求められる「NT倍率」を見ると、同倍率は低下傾向をたどっていました。

これは市場参加者の中に、ヘッジ売りとか、株価の下落にかけて積極的にショートを仕掛けていた人たちがいることを意味しています。特に、衆院総選挙が行われるのが確実視されるようになってからは、ヘッジファンドを中心にして、ポジションをショートに傾けていたと思います。

これは、自分自身がかつてヘッジファンドにいたときの経験によるものですが、彼らは政権交代、政策変更の可能性が高まったときには、ポジションをショートにする傾向が見られます。10月相場は皆、強気になれず、そのなかでショートポジションを積み上げてきた一部の投資家が、株価上昇による損失拡大に耐えられなくなり、いよいよショートポジションを解消する段階にきて株価を押し上げる、ショートカバーによる株高という側面もあったと思います。

中野:グローバルで見ると、日本株だけが急にひとりで上昇したわけではないことがわかります。年初から各国の株価の値動きを比べると、とにかく日本株だけが出遅れていました。要はグローバルな株高に、日本株がようやく少しだけキャッチアップしたのが、この株高の真相だと思います。

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