サマーズ氏、拒否反応の強さに勝てず 議会承認難航見通しで、FRB議長候補辞退
[ワシントン 15日 ロイター] - オバマ米大統領は15日、ローレンス・サマーズ氏が、次期連邦準備理事会(FRB)議長候補を辞退したと発表した。
オバマ大統領は声明で「きょう、サマーズ氏と話をし、FRB議長候補を辞退するという彼の決断を受け入れた」と表明した。
サマーズ氏は、自身が指名された場合に議会の人事承認プロセスが難航し、大統領の経済運営やFRBに悪影響を及ぼす恐れがあるとの懸念から、選考候補からの辞退を決断した。
クリントン政権で財務長官を務め、オバマ政権第1期目では国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、来年1月末に任期が満了するバーナンキ議長の後任の最有力候補とみられていた。しかし、90年代の金融規制緩和への支持や、ハーバード大学学長時代の女性差別的発言が批判されていた。
サマーズ氏大統領に送った書簡のなかで「自分のFRB議長就任承認のプロセスは厳しく、FRBや政権の利益、ひいては現下の景気回復の利益に資しないだろう、という結論を不本意ながら下した」と辞退の理由を説明した。
サマーズ氏が次期FRB議長に指名された場合に指名承認プロセスの第一段階となる上院銀行委員会で、民主党内からすでに4人の委員が反対票を投じる見通しとなっていた。
上院銀行委の民主党委員の側近は「政権は、サマーズ氏が承認される公算がないと認識した」と述べ「辞退は正しい選択肢だった」と指摘した。
サマーズ氏の次期FRB議長候補指名には、リベラル派の議員や進歩主義的団体も反対を表明していた。
Progressive Change Campaign Committeeの共同創設者アダム・グリーン氏は、サマーズ氏辞退の報道を受け、「サマーズ氏が過去に下した金融規制緩和決定などは、多く米国民の暮らしを苦しくした。彼がFRB議長になっていたら、とんでもないことになっていた」と述べた。
サマーズ氏と並ぶ次期FRB議長の有力候補はイエレンFRB副議長で、与党民主党の上院議員20人は、大統領にイエレン副議長の指名を促す書簡に署名している。
*内容を追加します。
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