千葉「ポッポの丘」、私設鉄博は養鶏場だった

車両より輸送費が高い!車両保存展示場秘話

――なるほど、知らぬが仏……という状態だったんですね。

村石愛二社長。東京農業大学の客員教授もされている(撮影:坪内政美)

「まったくそのとおり(笑)。8月に買ったものの、ここに運ばれてきたのは12月7日。その日はいすみ鉄道に金沢から来たキハ52が入ってきた日でした。この車両は入れ替えで国吉からここまで9㎞程度運んだだけなのに、運賃は200万円ほどかかりました」

――えっ!車両がもう1両買えちゃいますね。

「そのうえ、整備すれば動くと言われたけど、線路がないと走らない。じゃあ50mくらい敷こうと。この辺りの軌道業者にお願いしました。JRの構内に置いてあったレールを払い下げてもらい、線路・枕木・工事費など合わせてメーター4万円。これを50mで200万円」

――すでに車両だけなら3両買える値段ですね。

「線路は敷いた。が、もともとの車両にはブレーキやハンドルが付いてない。忍び錠もない。そしてこの車両は部品取りにもなっていたので、そんな簡単に動くわけもなかったんです」

――「整備すれば動く」の範囲が広すぎますね……。

震災で観光客が減る中での開業

整備が終わり、ここをどう使おうかと考えつつ迎えた2011年の3月、東日本大震災が発生した。

「震災後は房総半島に客も来なくなってしまった。じゃあ、うちもここで直売所でもやろうか、ということになったんですが、車両1両では寂しい。そこでJR貨物・北陸ロジスティクスの元社長・島さんが保存していた高岡の路面電車と北陸鉄道の車両を持ってこようということになり、震災後の5月1日、鉄道車両3両とともに、農畜産物直売所・ポッポの丘をここにオープンしたんです」

同年8月には、福井の敦賀港で走っていたラッセルの付いたディーゼル機関車がここにやってきた。

「これは動くというので、じゃあ線路敷かなきゃ!ともう100m、線路を敷きました。個人でラッセル車を買った埼玉の方も、買う前にここにサイズを測りに来ましたよ」

――あっ、その方、テレビで観ました! 駐車場で50cmほど動くんですよね。

「そうそう、これと同じのを買うんだ、と言って(笑)。その後、銚子電鉄のデハ701・702が来たんです。無料で譲渡してもらえましたが、運ぶのに1両につき300万円かかりました」

次ページ「線路があるのに機関車1両じゃもったいない」
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