「北海道の駅弁」といえば、函館本線森駅の「いかめし」を挙げる人が多いだろう。ではほかは?と聞かれて、すぐに答えられる人は実は少ないのではないだろうか。さらに、実際に北海道に行って駅弁を食べたことがあるかと聞かれれば、かなり数が絞られてくると思う。
実は私も現地ではあまり多くを食べていないことに気がついた。なぜなら食べたいものがほかにもたくさんあったからだ。たとえば函館では、朝市の海鮮丼、塩ラーメン、ラッキーピエロのハンバーガー、ハセストのやきとり弁当。札幌だったらスープカレーにジンギスカン、屋台のトウモロコシも外せない……と、すでにこれだけでも手いっぱいだ。
以前は札幌・函館から東京まで帰るときは、よく寝台特急「北斗星」に乗っていた。乗車するとすぐパブタイムの時間、そこでピザとビールを頼むのも習慣であった。駅弁は食べるタイミングがなかった。
北海道ならではの食材たっぷり
駅弁を意識して食べるようになったのは漫画「メシ鉄!!!」を描く数年前からのことだ。改めて注目すると、北海道ならではの食材を使った駅弁が多いことに気づかされる。個性的な駅弁を現地で食べてみたい。いくつかの調製元さんにお話を伺いながら、駅弁を食べる3泊4日の旅に出た。
まずは室蘭本線の母恋(ぼこい)駅からスタート。予約しておいた「母恋めし」を受け取る。以前、駅弁大会で母恋めしを食べていたものの、現地で食べるのは初めてだった。受け取りは13時までなので早めに行動しておいたほうがいい。母恋めしは、関根さんご夫婦とお子さん二人のご家族で作られている。関根さんはもともと貝の工芸作家だ。
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