日経平均の「超重要な節目」が近づいてきた 2万3000円超になるか、いったん大幅下落か

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2万2666円が重要と書きましたが、その前の短期的な上値のメドは、2万2113円付近です。これは、1996年高値の2万2666円から2003年安値7607円までの下落幅1万5059円を用いて、リーマンショック直後につけた2009年3月安値7054円から、その下落幅を逆に上昇幅として考えたものです。1日はこの2万2113円を上回ってきました。

もし2万2666円を突破すると、次のフシ目は、アベノミクス相場が始まる前の安値である2011年11月安値(8160円)からの前出の1万5059円を上昇幅として考えた2万3200円付近。さらにかなり前の価格ですが、1990年10月安値と1991年3月高値との中心値(間の値)となる2万3700円付近です。さらに上値をいいますと、2015年6月高値2万0868円から2016年6月安値1万4952円までの下落幅5916円を2015年6月高値に加えた、いわゆる「倍返し」となる2万6800円付近が参考になりそうです。

2万2266円を上回れないと、大きな調整になる可能性も

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筆者が特に重要視しているのは、2万2113円付近です。ここは、今年4月以降の短期的な値動きを用いた計算でも出てくる重要な水準です。1日には明確に上抜けたため、このまま12月に向けて2万3200~2万3700円付近までは上昇が続く可能性が高まってきました。

ただし、まだ1996年高値(2万2666円)を上回っていません。過去の高値を前に反落するケースもよくあります。重要なフシ目を上回れなかったという失望が、近い将来、大きな調整につながる展開になる可能性があり、まだまだ警戒が必要です。

目先的には、現地時間で11月1日に発表される米10月ISM製造業景況指数や3日の米10月雇用統計、その前の2日発表といわれる次期FRB(連邦準備理事会)の議長指名など、相場に影響大のイベントが3日間も続きます。いよいよ目の前に迫ってきた1996年高値をすぐに超えられるか、超えられないかのどちらかなのですが、正直なところ、どちらともいえず、わかりません。まずは今回挙げたフシ目の価格に注目してください。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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