iPhoneX、「操作性への懸念」は払拭できるか 気になる"使い勝手"をチェックしてみた

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それは、初代iPhoneから続く操作性や互換性を守り続けるのではなく、最新技術に合わせてiPhoneを再定義するとしたら何ができるのか、ゼロベースで考え直した製品ということだ。

OLED(有機EL)ディスプレーを使えば何ができるのか。当時とは異なるさまざまな要素技術を組み合わせたうえで、より高い使い勝手やアプリ開発者たちの創造力を引き出すには、どういったアプローチがあるのか。

初代の発売から10年を過ぎ、新しい10年を作り上げていくための基礎となる製品がiPhone Xだ。しかし一方では、iPhoneを使い慣れたユーザーの中には、ホームボタンを廃止したり、画面の縦横比が変化しているiPhone Xに対して、「操作面でかなり慣れが必要なのでは?」という不安感も持っているのではないだろうか。

操作性に対する懸念は5分で払拭

しかし、実際に使用してみると操作性に対する懸念は、ものの5分ほどで消し飛んでしまった。従来のiPhoneシリーズとiPhone Xは、確かに操作の作法が異なる面はある。しかし、その違いは僅かなもので、使用感はまさにiPhone。頭で考えるよりも、ずっと馴染む速度は早かった。

一方、iPhone 8シリーズに比べると高価なうえ、基本性能も大きくは違わないiPhone Xを選ぶなら、どこに注目すべきなのか。そのポイントも見えてきた。それは体感・体験。いわば“フィーリング”だ。

実用性、機能性といった言葉にしやすい部分だけでなく、使ううえでの心地よさ、満足感という意味だ。製品の質感もその中には含まれるだろうが、ディスプレー表示の質、握りやすさ、操作しやすさなど感性に訴える部分での作り込みをどう捉えるかが、iPhone Xの評価につながる。

アップルによると、理想とするiPhoneのコンセプトデザインは、本体の筐体を意識させず、手のひらにディスプレーそのものを包み込み、それを操作するというものだそうだ。iPhone Xの筐体は、まさにその方向に向かったデザインだ。

ステンレスのフレームを挟むカバーガラスと、設計上必要なスリットを埋める樹脂部分などは、ほぼ継ぎ目なく平滑に組み立てられており、とりわけスペースグレーモデルはパッと見ただけでは1つの塊のように見える。

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