自民圧勝で「黒田総裁の次も黒田総裁」なのか 次期総裁・副総裁に名前の挙がる人々

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黒田総裁の続投なら市場は波乱なしだが(撮影:今井康一)

衆院選での与党勝利を受け、安倍晋三政権の継続が決まった。アベノミクスやそれを支える日本銀行の金融政策も一定の信任を得たことになる。その中で注目されるのが、来年4月に任期を終える黒田東彦総裁の後任人事だ。

日本銀行は2013年4月の量的・質的金融緩和の導入以降、黒田総裁自ら「異次元緩和」と呼ぶ大規模な金融緩和を行ってきた。2016年2月にはマイナス金利政策を導入、同年9月には量的・質的金融緩和の総括検証を行って、主軸をYCC(イールドカーブ・コントロール)に移行した。短期金利をマイナス0.1%に固定し、長期金利をゼロ%に誘導する政策だ。

安倍政権の継続により、日銀も引き続きYCCの枠組みを継続していく。しかし、いまだに物価目標2%達成のメドは立たず、政策委員の物価見通しは下振れし続けているのが現実だ。10月31日の「展望レポート」でも政策委員の2017年度の物価見通しは、7月時点のプラス0.5~1.3%、中央値プラス1.1%からプラス0.7~1.0%、中央値プラス0.8%に引き下げられた。

市場が期待するのは黒田総裁の続投

FRB(米国連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)は一足先に出口に向かって進み始めているが、日銀では出口の議論すらまだ行われていない。足元では国債買い入れの限界が近づいているため、YCCにシフトし、年間80兆円の買い入れメドは現実には50兆円程度になりそうだ。すでに日銀のバランスシートは515兆円に膨れあがっており、金融政策の運営および出口戦略を担う後任人事は非常に重要な課題だ。

市場が期待しているのは、政策の見通しに変動を与えない黒田総裁の続投だ。安倍首相からの信頼も厚く、自民党の圧勝で確度も高まった。

黒田氏再任の場合、年齢を懸念する声もある。現在73歳で、あと5年間の任期を続けると78歳になる。この点、前例がないわけではない。過去には、速水優氏が72歳で第28代総裁に就任している。菅義偉官房長官も総裁人事に関して、「年齢は問題にならない」としている。

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