自民圧勝で「黒田総裁の次も黒田総裁」なのか

次期総裁・副総裁に名前の挙がる人々

しかし、黒田氏と速水氏の状況は少し異なっている。黒田総裁はまさに異次元のレベルで日銀の金融政策を大きく変えてきた。従来の金利コントロールから、操作目標をマネタリーベースに変更し、年間80兆円という大量の国債購入や、ETFやREITといったリスク資産を買い入れるという「量」と「質」による実験に挑戦した。「金利」面でもマイナス金利を導入するなど、これまでにない領域に踏み込んだ。

過去の総裁に比べると国際的な注目度も上がり、国際会議にも数多く参加するなど激務で、日銀OBからは「黒田さんはかなり消耗しているのではないか」という声も上がる。

関係者の意見は、「年齢は関係ない。黒田さんくらいの年齢で活躍する人はいくらでもいる」「責任感の強い人だから任期途中で降板はできないと考えれば、続投しない可能性もある」と2つに分かれている。続投には、黒田氏本人の意向が大きくかかわってくるだろう。

財務省関係者が望ましいとの声も

黒田氏が続投しなかった場合に関しては憶測の域を出ず、市場関係者からは、さまざまな名前が挙がる。基本的には、これまでの流れから、総裁と2人の副総裁を日銀出身者、財務省出身者、学者で構成する布陣が想定される。

日本銀行の総裁・副総裁は金融政策運営さえできればいいというわけではない。日銀はほかにも銀行券の発行、決済インフラの整備、金融機関の運営状況の把握、国際金融業務など、金融システムの安定にかかわるさまざまな業務を行っている。また、日銀という組織の経営も重要で、人事や予算策定など多岐にわたる。そのため、日銀出身者は、必ず1人は必要になる。

日銀出身者として名前がよく挙がるのは、現在副総裁を務めている中曽宏氏や理事を務めている雨宮正佳氏だ。中曽氏は金融市場や金融システムの専門家であり、来年3月までの副総裁の任期を終え、就任するのではないかとの見方がある。雨宮氏は、企画局や金融市場局を担当してきて、現在の政策の枠組みを作ったとされ、将来の総裁候補ともいわれてきた。まずは、副総裁への就任が有力とされる。

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