民進系「右往左往」と政府・自民「驕り」の復活 質問時間逆転を迫る自民、対抗できない野党

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

31日午後3時過ぎから開かれた両院議員総会で新代表に決まった大塚氏は、「力不足は重々承知の上で誠心誠意代表を務めたい」と低姿勢で就任挨拶を始め、今回衆院選で民進系の立憲民主、希望両党の比例選での得票合計が自民党を200万票余も上回ったことを指摘して、「次期総選挙では立憲民主と希望と民進で政権交代を成し遂げたい」と党再生と野党再結集への意欲を語った。

さらに、「今日は間違えてはいけないので原稿を読んだ」と苦笑しながら「われわれが明るくなくては国民も政権を託そうなどとは思わない。明るい民進党にしたいのでよろしく」と締めくくり、会場の拍手に深く頭を下げた。大塚新代表は党員・サポーターも含めた本格代表選での選出ではないため、任期は来年9月までで、次期代表選は安倍晋三首相が「3選」を狙う自民党総裁選との同時進行となる。

党内には「そもそも、それまで民進党が存続しているのか」(有力議員)との声もあり、大塚新代表は就任あいさつとは裏腹に「政党清算手続きが最大の仕事」(同)となる事態も想定され、新リーダーとしては暴風雨に突っ込むような厳しい船出となる。

「会派の落差」で野党が「衆参ねじれ」の構図に

特別国会召集までに固まった各党、各勢力による衆院への会派届けをみると、自民党284、立憲民主党・市民クラブ55、希望の党・無所属クラブ51、公明党29、無所属の会13、共産党12、日本維新の会11などとなった。「ダブル不倫疑惑」で無所属当選となった山尾志桜里元民進党政調会長は立憲民主に入党しないままでの会派入り、希望の党は民進党代表を辞任したばかりの前原氏を無所属のまま会派に加えている。

一方、選挙のなかった参院は自民党・こころ125、民進党・緑風会47、公明党25、共産党14、日本維新の会11、希望の会(自由・社民)6、希望の党3などと前国会から大きな変化はない。衆院とは対照的に民進党が圧倒的な野党第1党の立場を維持し、会派のない立憲民主の福山哲郎幹事長は無所属扱いだ。

このため当面の国会運営は、衆院は「自公vs立憲民主・希望」、参院は「自公vs民進・共産」と衆参の構図が大きくねじれることになる。法案審議などは当然、衆参にまたがるため、政府提出の重要法案をめぐる与野党折衝も極めて複雑化し、特に野党陣営が混乱する可能性は否定できない。

次ページ自民は野党の質問時間短縮の暴挙
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事