徐々に高まる1ドル=103円突破の可能性 円安進行を予感させる、インド株市場の底入れ

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こうしたBRICS基金と日印通貨スワップ増額による、事実上の外貨準備拡充は、インドがその地政学的重要性を「キャッシュ化」「現金化」したものと筆者の目には映る。

特に、日本と中国は近年、チェンマイイニシアティブや2カ国間通貨協定など、アジア地域での国際金融における存在感でしのぎを削っている。ルピー安の脅威にさらされる中でのBRICS基金は、その中でも圧倒的な外貨準備を保有する中国によるインド支援に近い色彩を帯びる。そのままインドがBRICSの枠内での依存度を高めた場合、アジア地域での国際金融の勢力図、さらには地政学的環境をも大きく変えることにもなりかねなかった。今回、財務省が大胆な通貨スワップ枠増額に踏み切った理由のひとつもここにあろう。

もちろん、こうしてインドルピーやアジア通貨の安定に貢献できれば、リスク回避に伴う円高を事前に防ぐ予防策にもなる。その意味では、足元で円安再開の兆しが出てきたのも、日印スワップ増額という日本政府、財務省の通貨政策の結果と見なすことができるだろう。

高島 修 シティグループ証券チーフFXストラテジスト

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たかしま おさむ

1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社。99年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを歴任。2004年チーフアナリスト。10年3月にシティバンク銀行へ移籍。13年5月末からシティグループ証券に所属が移る。機関投資家から高評価受ける。

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