施行から15年、補助犬法を知っていますか まだまだ理解が進んでいない社会の実態
しかし、2015年時点で、補助犬の同伴を拒否されたことのある人の割合は、66.0%にまで上ります〈特定非営利活動法人日本補助犬情報センター(2016)「補助犬受入実態の把握および阻害要因の調査(補助犬ユーザーアンケート調査編)」〉 。取材の中で盲導犬ユーザーの方から「なじみの店だったのに、ほかのお客さんからクレームがあって店長からご遠慮願えますかと断られてしまった」経験を聞かせてもらったことがあります。
特定非営利活動法人日本補助犬情報センターの橋爪智子・事務局長さんは「法律ができたことは大きな成果ですが、社会との接点を深めて、より多くの人たちの理解を広げていきたいです」と語り、補助犬やユーザーさんと社会をつなぐ「ハブになりたい」とさまざまな活動を行っています。
橋爪さんは、補助犬にかかわり始めて15年。補助犬に関する、“正しく知らない”ことが招いた悲しい出来事、不安を解消する役割を果たしてきました。補助犬に関する情報を正しく伝えるためのハンドブック、YouTube動画などを作成。さらに補助犬ユーザーから同伴拒否の相談を受ける度、可能な限りその事業者を訪ね、または電話をして、第三者の立場からアドバイスを重ねています。ホテルや商業施設などと連携し補助犬用のトイレの設置や啓発イベントの実施を行ったり、ハンバーガーチェーンと共に啓発活動などを積極的に進めてきました。
先日も、私が恵比寿新聞やamuとともに開催しているワークショップ「伝える人になろう講座」で日本補助犬情報センターの橋爪さんや当事者の皆さんをゲストに招いてお話を伺いましたが、よかったこと、困ったこと、悩んでいること、改善したいこと、感謝していることなど、会場の参加者の皆さんがどの話も新鮮に受け止めている様子が印象的でした。
10月1日「#ほじょ犬の日」
「もっともっと多くの人たちに知ってほしい」。
橋爪さんたちは、「 #ほじょ犬の日 」の10月1日12時〜13時の1時間の間での、SNSを使った新たな試みに挑戦しました。補助犬は障害のある方達にとって心強いパートナー。自分にとって補助犬のような存在への「ありがとう」を、写真にとって投稿してほしいと呼びかけを。ツイッターではハッシュタグ「 #ほじょ犬の日 」を添えてもらうことで、トレンドワード入りを目指すという試みです。トレンド入りすることで、これまで補助犬のことを知らなかった人たちにも存在を伝えたいというのが狙いです。
「#ほじょ犬の日」当日、12時になった瞬間から始まったそれぞれの「ありがとう」ツイート。