京都の芸舞妓が惚れる人と敬遠する人の差 贔屓を気取っても本質は態度に表れる

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そうそう、こういったご贔屓のお客様方からは、プレゼントを頂戴いたすこともございました。

私などはブランド品に興味がない芸妓だったのですが、それでもブランド品をくださる方もいらっしゃいました。当時の私は不遜にも“何かをくださる気持ちだけでいいのに、こんな高価なものを興味のない者に贈ってくださるなんて、なんだかもったいない”などと考えていました。これは決して私特有の考えではなく、多くの女性が思うことではないでしょうか?

一方通行の意思表示にならないためには

贔屓にしている子にプレゼントを贈るという行為は、人によっては下心もあるでしょうし、「君は特別だよ」と意思表示をしたいという気持ちもあってのことかとお察しします。でも、残念なことに往々にして一方通行に終わってしまうのみならず、あまりにも的外れな贈り物ですと、贈り主への評価もマイナスになりかねません。

いただいておきながら本当に申し訳ないのですが、そういった“下心があるのに的外れ”という残念なプレゼントは心底うれしいものではありません。ましてや、こちらの望むものに想いを巡らす手間を省き、金銭にモノを言わせようというのに、正規のお店で買ったわけでないブランド品を贈ったりした日には、ほかの芸舞妓たちからも「けち臭いお客さん」という烙印を押されかねません。

「では、正解は?」といえば、これは人それぞれ。だからこそ的外れにもなるのですが、気になる異性から少し離れて、何人かのグループや会社への手土産ということなら、少し高級な、食べやすい消えモノでしょうか。取り分けにお皿がいる生菓子などより、日持ちがして、持ち帰ることもできる個包装のスイーツなどが喜ばれるのではないでしょうか。

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気になるお相手なら、普段から少し心を配り、身に着けているもの、好きなものなど気を留めてみる。ちょっとした手土産、何かのお礼などの折に、いつも持っているような可愛いハンカチや、この程度ならうれしいブランド物のポーチ、お菓子が好きなら少し普段は手が出ないような高級スイーツ、メークが好きなら限定コフレ等々……高価なのに好みに合わないブランドのバッグやアクセサリーよりも、センスのよい“ちょっとしたもの”のほうが好感を得られそうです。

下心からでも、ほかの理由からでも、とても高価なものを贈る際には、バッグなりアクセサリーなり、ある程度お相手の望んでいるものに目星をつけたら、間違いがないのは“一緒にショップに行って相手に選ばせる”では。よほど相手の望んでいるものがわかっていて、センスに自信があるのでなければ、サプライズは避けましょう。

相手の心をつかむのも、残念だと思われてしまうのも、ちょっとした差。私が述べてきたことは、おそらく花街の芸舞妓だけでなく一般的にも通じるはずです。

竹由 喜美子 元芸妓

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たけよし きみこ / Kimiko Takeyoshi

1973年京都市生まれ。14歳のころから踊りのお稽古を始め、中学卒業とともに京都花街の屋方(置屋)のお世話に。16歳で舞妓として見世出し、ほぼ5年を経て襟替えし芸妓になる。芸舞妓として11年余を務め引退。現在は、とてもとても大事な愛猫5匹、そこそこ大事な夫1匹と、京都で暮らす。ごく稀に仕事をし、ごくごく稀に家事に勤しみ、日々のん気に成功とは程遠い暮らしを満喫中。著書に『京都花街の教え 元芸妓が語る 昇る男の条件 沈む男の傾向』『京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと逃すひと』(ともにすばる舎リンケージ刊)がある。

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