京都の芸舞妓が惚れる人と敬遠する人の差 贔屓を気取っても本質は態度に表れる

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一流のお客様ばかりといえども、中にはお目当ての芸舞妓がなかなかお座敷に来ないとイライラされるお客様もいらっしゃいます。売れっ子ならまだしも、私のように鳴かず飛ばずで、いつもはスグやってくるような者のご贔屓様ですと、やはり「贔屓にしてやってるワシを待たすとは」となってしまうことも(先のお席がほかの芸妓さんなどのご贔屓で、何人かの芸舞妓がいるような場合は屋方から“すんまへん、ちょっと早いのんどすけど○○(芸妓名)のご贔屓が会いに来てくれておいやして~”などと伝えてもらい、少し早く次に行かせてもらえることもあります)。

一番うれしい言葉は

このようなときに、お1人でゆったりとお待ちいただくのもありがたいのですが、お客様からかけていただいて一番うれしい言葉とは……。

「戻ってくるまで、可愛がってる妹ちゃんか、仲ええ子を呼んで〜」でしょうか。

同じ屋方の妹や仲のよい朋輩に声をかけてくださったりすると、私の顔が立つようにとまで考えてくださっているのだなぁ、とありがたく、また粋なお方だとも感じます。

一方で、健気にじっと待ってくださるお客様もうれしいものです。以前すごくうれしかったのが、「あとくち」のお声をかけてくださったきり、ちっとも急かされないので「お帰りになったのかな」と心配しつつ、座敷を抜けてもいい頃合いで走りますと、なじみのお店でママさんと談笑しながらお待ちくださっていて。ママさんから「誰かほかの子ぉ呼びましょか?て言うたんやけど、ほかの子は呼んでも楽しいないさかいって、お待ちやったんえ」と言われたときはうれしかったです! ですからお待ちくださるお客様というのも、焦りはしますがうれしいものです。

不粋なのは、贔屓を気取って「このワシが呼んでるのに!」とばかりに何度も何度も急いて(催促して)くる方でしょうか。1人でゆったり飲むという粋さはありません。

「お待ちくださるお客様」はお待たせしても「どれだけ待たせるんや!」などとは言わず1人でも粋に飲んでおられます。伺うと「君が忙しいのは珍しいことだけど、えぇこっちゃがな~」などとおっしゃってくださいます。

また、お席に呼んでいただいているときに次の座敷がかかったりすると「売れっ子なんはえぇこっちゃ、早よ行ってきー」と言って送り出してくださることも。そして「適当に帰るけど、もしそこ(の座敷)が早よ終わったらまた帰っておいで~」とも。ほかの子はあまり呼んではくださいませんでしたが、素敵なお客様でした。

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