今年30歳の人は1987年生まれ。高卒なら2005~2006年、浪人も留年もなくストレートに進んだ大卒なら2009~2010年から社会人生活を送っている。「ゆとり世代」と呼ばれた彼ら、彼女らも三十路だ。平均年齢の若い新興企業なら役職就きで活躍していたり、起業して活躍していたりする人もいる。老舗の伝統的な企業であっても、責任ある仕事を任されている人もいるだろう。
そんな30歳の会社員はいったいどのぐらいの給与をもらっているだろうか。東洋経済オンラインは上場企業3600社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。その第1弾として東京都の上位500社ランキングを公表する。8月に配信した「40歳年収『東京都トップ500社』ランキング」の30歳年収版となる。
集計対象としたのは、『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が東京都となっている1578社。単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は除いた。有価証券報告書(2015年6月期~2016年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」を基に試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。また、純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担う社員のみで成り立っているケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。こうした純粋持ち株会社について、原則としてランキングの対象から除外していることも、併せてお断りしておきたい。
1位M&Aキャピタルは1847万円
「40歳年収『東京都トップ500社』ランキング」(2017年8月16日配信)と同じく、1~4位はM&Aキャピタルパートナーズ(1847万円)、GCA(1827万円)、ストライク(1440万円)、日本M&Aセンター(1250万円)といったM&A(企業の買収・合併)の仲介や助言を行う成長企業がそろい踏みした。
大手企業の事業拡大目的や中小企業の事業承継など、4社のM&A関連事業はそれぞれだが、特殊な事業に対応できるノウハウを持った優秀な人材を集めるために高給を払ってビジネスを展開しているのだろう。3社が公表している平均年齢も若く、実態も試算値とかけ離れていないはずだ。
このほか上位にはヒューリック(5位1108万円)のほか、三菱商事(6位1041万円)、丸紅(8位938万円)、住友商事(9位934万円)などの総合商社のほか、大手不動産、大手広告代理店など超大手企業の姿が目立つ。
とはいえ、30歳は企業内ではまだまだ若手でもあり、1000万円超プレーヤーとなると限られている。集計対象企業を単純平均すると、30歳推計年収は475万円、平均年収は590万円、平均年齢は39.8歳だった。