「有給取得を嫌がる上司」にどう対抗すべきか 正面対決するより、もっと戦略的に

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私は、30代後半になってから、「ちゃんと休んでちゃんと働く」という時代になってきたことが、メンバーだけでなく管理職である私にとってもいいことだなと強く思うようになりました。管理職である私自身が、家族の都合や子どもの行事などで休みを取りたいと思うことが増えた反面、自分だけ休むわけにはいかないというジレンマを抱え始めたこともあります。

また、実際問題、年齢を重ねて責任も重くなってくると、集中力の持続する時間が短くなり、オフやインプットの時間が必要だと思うことが増えてきていました。そして、評価軸が、絶対量から生産性に移行していく必然性も、実感していました。つまり、社会や時代の流れというだけでなく、管理職自身が、自身のマネジメントや実務において、メンバーの心身を守り、多様な力を発揮させることが必要だと実感している、ということなのだと思うのです。

あなた自身が、これらの状況を踏まえつつ、さらに仕事の質を上げるためにもきちんと休みたいと思うのだとしたら、とても真っ当だし、否定する要素は1つもありません。家族を持つ人より申請しにくい、と考える必要もまったくありません。管理職も含めた職場全体が「ちゃんと休んでちゃんと働く」という雰囲気になることのほうが大事なのです。実際には、そういう職場を作るのは難しいと思うかもしれないけれど、きっとほとんどの管理職は危機感を感じているはずです。ぜひ対話してみてください。

管理職とのコミュニケーションの取り方も大事

その際は、「自分だけ休みにくい」「取得理由を聞くのは法律違反だ」などと、対立構造を感じさせるようなコミュニケーションを取るのは、決して得策ではありません。あくまで職場全体のことを考えて、そして仕事をきちんとすること、生産性を上げることを前提に、一緒に考えていきたいと伝えてみましょう。あなた自身の株も上がり、管理職も本音を漏らしてくれて実現可能性の高いプランが考えられるかもしれません。

私がマネジメントしていた職場では、全員に1カ月ごとの有休取得予定日を設定してもらっていました。それをカレンダーで職場に共有しておくと、こちらも計画的に仕事を振ることができます。定例の会議などが毎日あると休みにくいので、もっと効率的に実施できないか考えることもできて一石二鳥でした。ギリギリの人数でやっていて、休んでいる場合ではない、と思われがちな職場でも、全員バランスよく休めれば、結構助け合えるものです。

さらに、予定があってもなくても「定期的に休みを取るルール」としていれば、取得理由のせんさくも減ってくるでしょう。ちなみに、私は個人的には、「今月の有休は何する予定?」と何げなく聞いたときに、「秘密です」と言われるより、「ぼーっとします」「彼氏と温泉です」と答えてもらえるほうが、「楽しんでね!」と心から思うことができました。このあたり、あくまで昭和です(笑)。

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