テレビドラマは枠からハミ出す戦いが必要だ

どうすればドラマは復権できるのか

──大友さんもかつては組織の「枠」のなかのひとりだったわけですが。

「龍馬伝」のとき、公開インタビューなどで“NHKはどう考えているんですか?”って聞かれることがあったけど、“NHKって誰ですか?”って話です。NHKでたまたま仕事をしている大友が「龍馬伝」を作っているのであって、“大友はどう考えますか?”って聞いてくれますか、というようなことを質問者に返していました。NHKなんて人はどこにもいない、NHKというのは組織の総体であると。作るということでいえば、やっぱり個人なんです。

──組織という「枠」を超えた今、振り返って見えたものは?

僕は今、フリーなので、極端に言えば資金を集めるなど、コンディション作りから始めなきゃいけないわけです。組織にいれば、そういうものは担保されていたわけですが……。だけど、今の時代、そういうことも厳しくなってきている。よく予算がないなかでこんなに頑張りました、などと言う人がいますが、そんなことは視聴者にはなんら関係のないことです。

予算がなければ知恵を使う。あるいは作り手が予算獲得の戦いから始めていく。そうしなければ、枠の自由や作るものの自由、戦うための剣みたいなものを手にできなくなってしまう。作り手が、作るためのコンディションを自分で整え、獲得していく。そういう時代になってきたなという気がします。もっとも、これって映画も同じです。日本のドラマも映画も海外をターゲットにはしていないので、国内でぐるぐる回しているだけ。しょせん狭いなかでパイを争っている。そこから変えていかなくては、という話になってきますが。

テレビドラマの世界は、典型的なOJTの世界

──テレビドラマが再興するためには?

「ものづくりというのは“才能”か“コンディション”か、どちらかなんですよね。才能で勝負するか、時間をかけて愚直に積み重ねるか。いずれにしても、かつての大山勝美さんや久世光彦さんのように個人の名前で勝負する、そういう時代を復権しなくてはならないと思います。

テレビドラマの世界は、典型的なオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)の世界。僕もテレビドラマ出身なので、映画で厳しいスケジュールが来ても、それを受け止める体力が身に沁みついている。考え方も含めて。

今、ネットドラマの枠が増えているけれど、じゃあネットドラマが人材育成の枠になるかっていうと、まだまだテレビドラマほど、その役割は明確ではないと思います。作る機会を与えれば人材育成ができるかっていうと、たぶんそれだけでは不十分で。1つはお客さんとの関係性というか。自分が作ったものがどういうふうにアウトプットされて、良きにつけ悪しきにつけ視聴率という結果が出て、一喜一憂して。作りっぱなしではなく、そうやって誰もが傷ついて、いろんなことが鍛えられていく。まさにOJTしながら。

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