小池氏「出る」「出ない」狂騒曲に広がる虚しさ 「ブームに希望はない」と叫ぶ安倍首相も焦る

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現時点での選挙専門家の結果予測では、組織力のある公明、共産両党に大阪を地盤とする維新の合計議席は70前後が確実視されている。これに「リベラル系」も含めた無所属での有力候補などを加えれば約85議席が「自民、希望以外」の議席数となるとみられている。定数が465議席だから残る約380議席を2党が奪い合う計算だ。

仮に、首相が勝敗ラインとした自公過半数を阻むためには、計算上希望の党が180議席以上獲得しなければならない。そうでなければ選挙後の特別国会での首相指名選挙で小池氏という名前を書く意味もなくなるわけだ。小池氏が「首相指名選挙はどうするか」と聞かれても「その時に考える」いうのは「負け戦なら意味がない」と考えている証拠にもみえる。

「シナリオライター」に小泉、小沢両氏の名

それにしても、今回の「小池劇場」は昨夏の都知事選を超える「大演(だ)し物」となっている。そこで永田町で話題となるのが「シナリオライター」の存在だ。これまでの経緯を検証すると、2人の大物の存在が浮かんでくる。小泉純一郎元首相と小沢一郎自由党代表だ。いずれも、小池氏が政界でのし上がってくる過程で、小池氏からすり寄った「権力者」だ。小池氏も含めて3人の姓がいずれも「小」で、続く文字が「池」と「泉」と「沢」という揺れ動きまじりあう「水」の"集合体"であることも何やら暗示的だ。

小泉氏の存在は25日の小池氏の結党宣言直後に、都庁で小池氏と会談したことで表沙汰となった。福島第1原子力発電所の事故が起こって以来、「原発ゼロ」が小泉氏の持論だ。小池氏との会談でもその意義を力説し、小池氏も希望の党の主要政策に「原発ゼロ」を掲げた。

一方、小沢氏はかねてから野党結集のための「オリーブの木」構想を提案しており、小池氏や前原誠司民進党代表の水面下の相談相手になってきたとされる。小沢氏は今回選挙では前原氏らと同様に無所属で戦うとみられているが、永田町では「当選後は希望の党に入党して幹事長になる」との噂も飛び交う。

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