日経平均は五輪期待後退で5日ぶり反落 円安一服、4連騰後の過熱感も響く

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東証33業種別では3業種が値上がりし、29業種が値下がりした。上昇したのは鉄鋼、海運、鉱業。変わらずが空運。一方、下落率トップは、五輪関連として上昇していた不動産の2.27%。これにクロマグロ規制を嫌った水産・農林が2%台で続いた。さらに、その他金融、証券、紙・パルプ、繊維、サービスなどが安かった。東証1部の値上がり銘柄数は459(全体の26.1%)、値下がり銘柄数は1159(同66.1%)、変わらずは135銘柄だった。

ホンダ関連高いが、不動産など五輪関連で下げ目立つ

個別銘柄では、本日発表した第3四半期決算の進捗がよかったクミアイ化学が上昇率2位となったほか、昨日に燃費首位の新型フィットHVを発表したホンダと関連銘柄が上昇。証券会社によりフィット発売がポジティブと判断された日信工業、外資系証券による投資判断の引き上げのあったTSテック、ホンダ系最大の部品会社のケーヒンなどが上昇。iPhone発売が報道されたNTTドコモも高かった。一方、ソフトバンクは大きく下落。外資系証券による投資判断の引き下げのあったコメリやIHIも安かった。相場下落の寄与度の大きかったところでは、ソフトバンクのほか、ファーストリテイリング、京セラ、NTTデータ、東京エレクトロンなどのほか、三井不動産など五輪関連で上げた銘柄も下げが目立った。

今後の相場を占ううえで注目点は週末の2つのイベント。まず、ひとつが本日夜発表の米国雇用統計。市場予想は、雇用者数が18万人増、失業率は横ばいとなる7.4%。この水準から大きな乖離がなければ米国市場は株高になるといわれる。そして、7日(日本時間は8日午前5時頃)には2020年の夏季五輪の開催地が決定する。東京優位のなかで、関連銘柄も買われてきただけに、マドリッドなどに敗れた場合は、反落懸念も高いという。

来週に向けても重要イベントは多く、9日には4~6月のGDPの改定値の発表がある。消費税率引き上げの判断基準とされるだけに注目される。ほかに、7月の経常収支、中国のCPI(消費者物価指数)、シリアへの軍事介入を議論する米議会も再開される。10日にはアップルのイベントがあり、iPhone5Sの発表が噂される。11~13日には中国・大連で世界経済フォーラム(ダボス会議)も予定される。そして13日の金曜日にはメジャーSQが待ちかまえるだけに、波乱含みの展開が予想されている。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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