JDI、「異色人材の参画」で目指す大改革の中身

伊藤嘉明CMO、「短期間で結果を出していく」

――改革には痛みが伴います。「悪者になる」ぐらいの意識ですか。

個人的には嫌ですよ(笑)。でも、それが求められるのならば、「悪者」になります。経営というポジションは、好かれたり、人気者になったりする役割だけではありません。とくに、JDIのいまの立場は、好かれる、好かれないなどと言っている場合ではないんです。

産業革新機構の出資による会社ですから、そこには税金が投入されているわけです。最大の株主の期待に応えられていない状況にあります。応えるための体制、文化、姿勢を作りたいですね。

組み合わせで新たな価値観を生み出せる

――CMO傘下の組織づくりはどう考えていますか。

CEO直轄で、全カンパニーを横串にするマーケティング&イノベーション統括部を設置します。この組織は、フレキシブルに考えていくつもりです。海老名の開発設計部門に何度か足を運んで、技術を見せてもらったり、30~40代の技術者や、50代の幹部とも話をしたりしています。

話をしていてわかるのが、技術者は自分たちの技術がどう生きるのかということに強い関心を持っているということです。そこで、私が考えていることを話すと、とても共鳴してくれるのです。いままでは、しがらみがあってできなかったことが打破できるようになると、期待してくれている技術者もいます。私が考えるイノベーションは、革命的なものではなく、いまあるものを、どのように組み合わせるかということです。組み合わせによって、新たな価値観を生み出すことができると考えています。

9月26日に行われた記者会見で、初めて登壇した伊藤氏は、「"第二の創業"を担うスピード改革」「モノ作りだけではないコト作り」「顔の見える企業コミュニケーション」をあげ、「これが私の役割である」と述べた。そして「第二の創業で掲げた『破壊と創造』のうち、創造の部分を受け持つことになる」とも語った(筆者撮影)

――JDIが目指す「コト作り」とは? ディスプレイのJDIがどうやってコト作りをするのか、ピンとこなかったのですが。

JDIは、世界最高峰の技術を持っている会社です。それを、部品として作り、これを完成品メーカーに納めてきたのが、これまでのJDIでした。しかし、こうしたモノ作りだけに留まらず、コト作りが、JDIのこれからの新たな方向性となります。

従来ならば、シーズベースやニーズベースで部品を納めるというスタイルでしたが、これからはウォンツベースでなにかできないのか、ということを考えていく企業に変わります。パートナー企業からのリクエストだけでなく、自らこんなことができるのではないかということを提案し、中長期のビジネスにつながるようにしたいと考えています。

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