JDI、「異色人材の参画」で目指す大改革の中身 伊藤嘉明CMO、「短期間で結果を出していく」

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2014年6月、ハイアールアジアインターナショナル社長兼CEOとして取材に応じる伊藤嘉明氏(撮影:尾形文繁)

――X-TANKコンサルティングの仕事は休止することになりますか。

この活動は並行的に行っていきます。それは東入來さんにも認めていただいています。ただ、これからは力のほぼ100%をJDIに注ぐことになりますね。

――BtoC分野での経験が長い。BtoBとなるJDIで、その手腕を発揮できるのでしょうか。

アクアなどでの経験を見て、私のことをマーケッターであるとか、モノづくりのイノベーターである、というように言う人が多いのですが、私は、マネジメントが仕事です。アクアのときには、マネジメントを行うなかで、自らが広告塔の役割を果たしたほうがいい、あるいは、自分が表に出るべきだと判断したことで、前面に出ていたたわけです。私の強みは、ビジネスマネジメントです。企業再生もその仕事のひとつです。

改革の進捗状況を的確に伝えていきたい

――「経営のプロ」として、社長業にこだわっているのかと思いました。

今回は、執行役員 CMOという役職ですが、経営陣の一人ですから、基本的にやることは同じだと考えています。また、営業もマーケティングのひとつと考えていますから、各カンパニーの営業部隊と一緒になって、全体像を見ながらそこにも取り組んでいきたいですね。

また、執行役員でもありますから、営業、マーケティング以外でも、CMOというタイトルに関わらずに取り組んでいくつもりです。そして、CMOとしては、広報にも責任を持っています。いま、JDIの改革はどう進んでいるのかを的確に伝える必要があります。情報は積極的に公開していくつもりです。

――JDIでは、これまでの経験がどう生きますか。

8月頃から、中に入って見ていたのですが、JDIは、6社の文化が交じり合った会社ですから、余計な階層があったり、過去の会社の文化が絡み合っていたり、それによってしがらみが生まれたりというところに課題があります。これが、力を出し切れていない理由のひとつです。

私の役割は、社内にある「潰れては駄目な企画」を拾い上げることです。いい炎が着くはずなのに、なにかの理由によって、火が消されていたものを見つけ、それを炎にしていくことが役割だと思っています。また、JDIは、スピード感に欠けている部分があります。意思決定に対するスピードが、グローバル企業に比べると明らかに遅い。私は、米国企業や中国企業の意思決定の圧倒的なスピードを体験していますから、それをJDIの経営の中に持ち込みたいと思っています。

いまのJDIに一番欠けているのは、スピードです。そして、決定したことを実行に移すことに対する意識が低い点も課題です。決めたのはいいが、実行に移さない「オオカミ少年」のような状況が散見されます。しがらみがあって実行できないという部分がこれまでにはあったようですが、ここは、しがらみがない私が貢献できる部分ともいえます。大切なのは、決めたことでなく、決めたことをやって、なにが起こったかということなんです。そこを社内に徹底していきます。

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