ここまで「日頃の芸風はどこにいったの? 大丈夫?」というご心配をものともせずに、鋭すぎる名講釈を垂れてしまった、グローバルエリートである私。
それでは、一流の投票者とは、どのような特徴を備えているのだろうか。
「一流の投票者」3つのポイント
【1】支持母体とその限界をわかっている
一流の投票者は、その政党の支持基盤や組織力を理解しているので、何ができて何ができないか、そもそもわかっている。
たとえば、日本の農業改革に問題意識が強い人は、どの政党が農協に支えられていて、農協改革ができないかが十分わかっているのだ。
さらに「既得権益の打破」を掲げて、ろくでもない未経験者を短期間の「政治塾」で集めたが結局何もできなかった「第三の政党」を何度も見てきたがために、結局は人事と組む相手を間違えれば単なる烏合の衆で終わることも、一流の投票者は見抜いているのだ。
【2】どうでもいい情報に踊らされない
一流の投票者は、投票する際に重要な情報が何かを理解している。
日本の政治ほど不倫騒動に振り回されるものはないが、最近のテレビは「いっそのこと不倫を合法化して、三流メディアがこれ以上騒がないようにしたらいかがか」と言いたくなるほど不倫報道を取り上げ、政策議論はいっさい登場しない馬鹿らしい政治家ワイドショーばかりである。
しかし、一流の投票者は、そんな情報には踊らされない。議員の不貞および男女関係を正すために投票するのではなく、社会をよくするために投票するということを理解しているのだ。
【3】政治家に頼らず、政治を変える
一流の投票者は、「自分の一票なんて何も変えない」などと絶望しない。
投票することを社会の問題意識や政策について学ぶきっかけにし、それを語り合い発信することが民主主義をつくっていくのだと、理解しているからだ。
アメリカではブルッキングス研究所のような、公共政策を既得権益に縛られない非営利の立場で分析・評価する機関がある。またイギリスには、経済学の観点から政策分析を公共にわかりやすく伝えることに特化した学位が存在する。
これに対し日本では「玉石混交」の情報から玉を取り出すのではなく、石を取り出してぶつけ合うようなしょうもない三流メディアが横行している。
しかし、一流の投票者は、自分の政治力は「非力な一票」だと絶望することなく、玉石混交の中から“玉”を拾い上げ、それを磨いて政治家に問うことができるのだ。
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