アラブの春にソーシャルメディアは効いた? 経済学徒がゲーム理論の手法で分析してみたところの話

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□■□大学院生の生態? (著者近況)□■□

大学院生の「生態」は謎に包まれている(変なヤツが多いからか)。とはいうものの、友人の大学院生(のほとんど)はマジメである。私の怠惰な生態を紹介すれば、大多数のマジメな大学院生がいわれなき誤解を受けてしまう。というわけで、生態の紹介とは趣旨を異にするが、経済学界のイイ話をご紹介したい。
渡米前、京都大学の先生から「外国には驚くほど親切な先生がいる」と聞いていた(京都大学の先生も親切でした)。驚くほど親切の意味をわかりかねていたが、渡米初日にしてはっきりとその意味がわかった。渡米前、ペンシルバニア州立大学の先生と連絡を取っていた際、高名なエドワード・グリーン教授が大学最寄りのユニバーシティ・パーク空港まで私を迎えに来て下さるとおっしゃるではないか! しかも、到着予定時刻は深夜11時半であるというのに! すでに驚くほど親切だ。
しかし、話には続きがある。ワシントン・ダレス空港で飛行機を乗り継ぎユニバーシティ・パーク空港に行く予定だったのだが、このフライトがあろうことか2時間強も遅れたのだ。渡米直後で一切の連絡手段も持たない私にはグリーン教授に遅延を伝えることもできない(空港職員に電話を借りても繋がらない)。結局何もできないまま、ユニバーシティ・パーク空港に到着したのは深夜2時前。ゲートを抜けると……グリーン教授がいらっしゃったのだ! 文字通り、驚いた。驚きの直後には感謝と申し訳なさでいっぱいだった。感謝し謝罪し遅延の理由を伝えると、「知ってたよ。遅延はよくあることだから。そんなことより疲れたでしょ?」と。
たしかに家を出てから30時間も経っていたが、この一言で疲れも吹き飛んだ。グリーン教授の運転する車の中で感謝と共に恐縮しながら、でも驚くほどの親切に包まれて大学院生活は始まった。

 

 

 ※この連載は不定期更新の予定です

星野 哲也 ペンシルバニア州立大学博士課程

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ほしの てつや / Tetsuya Hoshino

1987年兵庫県生まれ。2010年京都大学経済学部卒業。2012年京都大学経済学研究科修士課程修了。ペンシルバニア州立大学博士課程在学中。

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