只見線「上下分離で災害復旧」に死角はないか もしも追加支援が必要になったら…?

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只見線の厳しい状況を踏まえると、一部区間で上下分離を実施した場合、JR東日本と施設保有者との間では以下のようなことが問題にならないだろうか。関係者の間では考えられているだろうとは思うものの、契約交渉を日常的に行う弁護士としてはとても気になる。

●今後、再び災害が発生して復旧が必要となった場合、路盤の復旧義務は施設保有者にある。復旧の負担が大きくても自治体の立場上復旧をしないという選択肢は取りづらく、そのたびに復旧の負担がかさむ。
●地元が復旧を望まなくても、JRから復旧を求められれば応じなければならない可能性もある。
●休止区間と隣接する区間での災害その他の理由で、JRが路線維持に消極的になった場合、地元は他区間の施設維持も引き受けるのか。
●もしもJRが運行経費の負担が大きいことを理由に列車運行をやめることになった場合、施設を保有する自治体はそれを理由に路線を廃止するのか、あるいはほかに第二種鉄道事業者を選定することになるのか。

追加支援が必要になったら…

厳しい経営環境からすれば、将来的にJR東日本が只見線の列車運行をやめる検討を行うことは十分にありうる。その場合、今回上下分離に合意した区間の隣接区間についても上下分離やその他の追加支援が求められることも考えられる。

並走する国道252号が一部冬季通行止めになることから、只見線の維持費用を自治体が負担する理由はあるかもしれないが、負担が青天井になる可能性もある。そうなったとき、沿線自治体が只見線を維持するためにどこまで負担に耐えられるか、という問題にもつながるであろう。

現時点でも休止区間の施設維持費用は年間2億1000万円が見込まれ、県が7割、17市町村が3割を負担するとされている。JR東日本と地元との合意では、線路使用料の支払いが予定されつつも、同区間のJR東日本の収支に欠損が生じないように使用料を減免することも予定されている。

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