民進党の「離党ドミノ」は、収まるはずがない 早期解散説が「瓦解」に拍車を掛ける可能性
細野氏は、自分が中心となるべく“新党”の気勢を上げようと必死だ。
12日午後には民進党の大島敦幹事長に慰留された鈴木氏の事務所を訪れている。この時の様子をテレビカメラに撮影させているのは、大島氏に離党を通告できなかった鈴木氏を後押しするとともに、新党の動きへのアピールをするためだと思われる。
さらに13日に行われた鈴木氏の離党会見では、終わる頃を見計らったように、細野氏が現れた。そして鈴木氏とがっちり握手して、カメラに収まっている。
笠氏、後藤氏に鈴木氏が加わると、すでに連携を確認している細野氏と若狭氏とともに現職国会議員は5人になる。「5人集まれば立ちあげる」との若狭氏の言葉通りなら、すぐさま結党する方向だ。
「臨時国会冒頭解散説」
そんな折、13日にいきなり永田町に「臨時国会冒頭解散説」が走った。自民党が行った世論調査によれば、いま衆院選を行えば自民党は3分の2を維持できるというのだ。それに合わせてなのか、政府与党は15日に「28日召集」を決定して野党に打診した。間もなく始まる臨時国会はおそらく、次期衆院選を前にした政局の最大の山場となるだろう。
民進党は3人の離党の他、幹事長に抜擢されそこなった山尾志桜里衆議院議員の離党など、まさに泣きっ面に蜂の状態である。ただし、離党ドミノの候補者だった岸本周平衆議院議員と福島伸享衆議院議員については、当面は離党することはないようだ。その理由は彼らが主張しているのが「解党」だから。自分たちが離党してしまえば、解党は実現しない。
民進党に残った人たちも、その多くは「これで収まった」とは思っていない。複数の議員が「そのうちに党を出る。ただタイミングを見ているだけ」と異口同音に打ち明ける。ある議員は「『民進党』ではダメ。最低限でも名前を変えなくては」と言う。
表面的にはドミノ離党騒動は収まったかのように見えるものの、獅子身中の虫が死んでいるわけではいないのだ。間近に迫ってきた選挙を見据え、民進党の瓦解は止めようがないといえるだろう。
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