民進党の「離党ドミノ」は、収まるはずがない 早期解散説が「瓦解」に拍車を掛ける可能性

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後藤氏の地元である神奈川16区は、厚木市や伊勢原市などを含む神奈川県の北西部に位置する。もともと保守色が濃く、自民党が強い地盤だ。

民主党(当時)が大勝した2009年の衆院選を除くと、後藤氏は2012年の衆院選で参議院から鞍替えした義家弘介前文科副大臣に8077票及ばずに落選・比例復活。2014年の衆院選では1489票差で辛勝。過去2度の選挙では優劣はつけがたいが、支持率がじり貧の民進党では次期衆院選はかなり厳しくなる。

神奈川9区も民進党公認で勝つのは厳しい

笠氏も事情は同じ。2003年の衆院選で初当選したが、選挙区の神奈川9区はもともと松沢成文参議院議員の地元。松沢氏が神奈川県知事選に転出したことにより、笠氏が民主党(当時)の公認候補として神奈川9区から出馬したという経緯がある。

笠氏は2005年の郵政民営化選挙では小選挙区で落選・比例復活したものの、2009年、2012年、2014年の衆院選では連続して当選を果たしている。しかしながら笠氏の得票数は、12万7219票、6万7448票、6万4534票と減少しており、2014年の衆議院選では自民党の中山展宏衆議院議員に4543票差まで迫られた。

さらに追い打ちは、松沢氏に衆議院復帰の意向があるとみられること。松沢氏は“小池新党”への参加を模索しており、8月25日には小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆議院議員と接触している。もし松沢氏が“小池新党”に参加して次期衆議院選に出馬すれば、笠氏にはかなり不利になる。小池知事と連携する細野氏と合流することは、それを阻止する意味もあるのだろう。

カギを握るのは、“小池新党”である。いったいどうなるのか。

「国政は若狭に任せている」。若狭氏が“日本ファーストの会”を発足させた時、小池知事はそう述べた。言葉通りに受け取るなら、「私は国政には口を出さない」と読みとれる。

しかし実際は、小池知事が顔を出さざるをえないようだ。その一例が9月11日の小池知事、細野氏、若狭氏の3者会談だ。報道では「若狭氏が呼びかけて実現した」とされるが、こんな話も聞こえてくる。「実際には小池知事と細野氏が2者会談するはずだった。それに若狭氏が後で加わった」。

いったいどちらが正しいのか。小池氏の動向に詳しい都政担当記者に尋ねてみたところ、「どちらも同じ。結局は細野氏と若狭氏だけではダメで、小池知事が出てこないと始まらないということだ」とのことだった。

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