「格安スマホ」に乗換えるべき人、向かない人 最新動向と"メリット・デメリット"を検証
まずは格安スマホの最新動向をチェック
いま、話題の格安スマホ。毎月支払うことになる高額な料金明細を見るたびに、乗り換えを考える人も多いのでは?
でも、そもそも格安スマホって、普通のスマホとはどう違うのか? ITジャーナリストで、格安スマホ事情に詳しい三上洋さんに聞いてみた。
「格安スマホとは、正確にいうと、契約者の情報を記録したカードを差し込むことでスマホが使える“格安SIMカード”と、価格の安いスマホのセットを指します。
以前は、格安SIMだけが販売されていて、自分で設定する必要があるうえ、格安SIMが使えるスマホも探して買わなければいけないので、一般の人にはとてもハードルが高かったんです。ところが、3~4年前に、『イオンモバイル』が格安スマホとセットで格安SIMを売り出したところ、これが大ヒットしました。それで、マニアから一般層にまで利用者が広がったんです」
ちなみにSIMカード自体はauやドコモ、ソフトバンクなど、大手の携帯会社が販売するスマホにもあらかじめ入っているもの。どうして“格安SIM”という形で安く売ることができるのか?
「格安SIMを提供しているのは、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる業者です。彼らは、auやドコモ、ソフトバンクなどの大手携帯会社から通信回線を借りて、通信サービスを行っています。ですので、回線を維持するための初期費用や設備投資がいりません。しかも、多くの業者が実際の店舗を持っておらず、営業コストもそれほどかからない。これが安さの秘密です」(三上さん、以下同)
三上さんによれば、最近では格安スマホを扱う業者は200社以上。昨年は、無料通信アプリを運営する『LINE』が格安スマホ市場に参入したことで、大きな話題を呼んだ。
「数年前から、総務省は“通信の自由化”を推し進め、大手携帯会社が独占している回線を開放するように指示を出しました。それを追い風にして、格安スマホを扱う業者が急激に増えていってます」