ワタミがひそかにステーキ店を開発したワケ 新業態のファミレスに活路見出せるか

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「にくスタ」が7月に投入した新商品「トマホークステーキ」。1000グラムほどの骨付きリブロースを3~4人でシェアする。好調な売れ行きだという(記者撮影)

「にくスタ」開発のきっかけはこうだ。当時は居酒屋の立ち上げを担当していた馬越誠志郎氏(現・レストラン事業部)が新業態を発案した。「ワタミファームの有機野菜を有効活用したいとサラダバーを思いついた。赤身肉、熟成肉が流行っていたこともあり、肉も目玉にすることにした」という。2015年末、清水邦晃社長に提案したところ、「これからは居酒屋だけの時代ではない。レストランの方にいこう」とゴーサインが出た。

収益柱の介護事業を売却した今、ワタミにとって目下の課題は赤字が続く国内外食事業の立て直しだ。主力業態の居酒屋「ワタミ」「わたみん家」を2016年半ば以降、鶏料理居酒屋「ミライザカ」「三代目 鳥メロ」に急速に業態転換し、テコ入れを図ってきた。

鶏料理居酒屋は好調だがリスクも

業態転換が効き、足元は回復基調にある。国内外食事業の既存店売上高は2016年9月~2017年8月まで12カ月連続で前年同月超えと好調だ。2017年度第1四半期(4~6月)決算では国内外食事業の赤字幅が縮小し、通期では営業黒字になる見通しだ。

「ミライザカ」「三代目 鳥メロ」は、国内外食店の35%ほどを占めるまでになった。足元では好調だが、鶏料理居酒屋には「鳥貴族」や「塚田農場」などに加え、ほかの大手居酒屋チェーンも新規参入し、競争は激しい。さらに、トレンドが変化した場合、業績が一気に崩れるリスクも抱える。そうしたリスクへの対応に加え、ランチ需要の取り込みや労務対策を意識して立ち上げたのが「にくスタ」だ。

「にくスタ」の客は、30~40代の子ども連れが圧倒的なシェアを占める。馬越氏は「居酒屋にはあまり来ないファミリー層を丸ごと取り込めたのは大きい」と語る。居酒屋は12月で年間の利益の3分の1を稼ぐ構造だが、「にくスタ」が最も稼ぐのは3月(春休み)、8月(夏休み)。ワタミとして書き入れ時が分散するというメリットもある。

居酒屋とは店舗オペレーション、営業時間が異なることも労務対策につながった。労働時間管理の厳格化など、労務環境の改善はワタミが近年迫られてきた課題でもある。

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