アルファロメオ、名車「ジュリア」復活の狙い 来年にはブランド初のSUVも日本で発売へ
FCAジャパンはジュリア発売に合わせ、これまで複数ブランドを扱っていた販売店をアルファロメオの専売拠点にするなど、販売網の刷新を急ピッチで進めている。
9月2日に改装開店した「アルファロメオ世田谷」では、1階にはアルファロメオのみを展示して前面に出し、従来併売していたフィアットやアバルトは2階に切り離した。FCAが指定する厳しい内装基準を満たすことで、高級感を出した。坂本頼彦支店長は「専売化による既販モデルへの相乗効果も期待できる」と話す。
往年のファンが多いジュリアシリーズ
ジュリアはアルファロメオの歴史を語るうえで欠かせない車だ。1960~1970年代に発売された旧ジュリアシリーズは、当時高級スポーツカーに限られていたDOHCエンジンを搭載し、高回転・高出力を可能にした。さらに車体にはアルミを全面採用、自動車デザイナーの第一人者であるジウジアーロがデザインを担当するなど、多くの自動車ファンの注目を集め、世界中で一世を風靡した。
日本にアルファロメオが初めて輸入されたのは1960年代だった。そのため2世代、3世代でアルファロメオを信奉する熱心なアルフィスタたちがいる。1950年代のジュリエッタや、1960年代のジュリアの中古車は、コアなアルフィスタの間で大切に乗り継がれている。
ただアルフィスタの最も厚い層は、2000年代初頭に人気を集めた「147」、「156」、「159」シリーズのユーザーだろう。当時アルファロメオは日本で年間6000~7000台を販売し、いまだにそれが最高記録となっているからだ。新型ジュリアは159以来の4ドアセダンだけに、ファンの期待も高い。
新型ジュリア発表のために来日したFCA本社のエクステリア・チーフデザイナー、アレッサンドロ・マッコリーニ氏は、「ジュリアをジュリアたらしめているのは、イタリアらしい官能的なデザインと高い走行性能だ」と強調。40年を経てあらためてジュリアの名を復活させた裏には、出来栄えへの強い自信がある。
デザインは無駄をそぎ落とし、「必要美」を追求したという。ボンネット上に斜めに入ったエアインテーク(吸気口)も工夫されている。そして、「トライローブ」と呼ばれるフロントグリルに目を向ければ、一目でアルファロメオとわかる。
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