アルファロメオ、名車「ジュリア」復活の狙い 来年にはブランド初のSUVも日本で発売へ

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アルファロメオ以外にも、フィアットやジープなど複数のブランドを抱えるFCAは近年、ブランド間でプラットホーム(車台)の共通化を進めてきた。2014年発売の小型SUV(スポーツ多目的車)であるジープ「レネゲード」とフィアット「500X」が、プラットホームを共有して開発されたのは記憶に新しい。

しかしアルファロメオは今回のジュリアのために、従来より大型の新プラットホーム「ジョルジオ」を単独で開発した。107年の歴史を持つブランドとしての誇りを尊重しながら、グローバルブランドとしてアルファロメオをテコ入れしようとするFCA本社の意思の現れといえる。

来年にはブランド初のSUVが日本へ

ジュリアの発表の場に突如姿を現した、アルファロメオ初のSUV「ステルヴィオ」(撮影:鈴木紳平)

さらに今回の発表の場では、大きなサプライズがあった。アルファロメオ初のSUV「ステルヴィオ」が、先代ジュリア、新型ジュリアに並ぶ形で会場でお披露目されたのだ。日本では今後1年以内に発売される予定だ。

ステルヴィオは、ジュリアと同じプラットホームで開発された。アルファロメオを「強靭な女性」と表現したアレサンドロ氏は、この2つを「姉妹車」と位置づける。

ジュリアがドライバーとの一体感や走行性能を重視するのに対し、ステルヴィオは車内の快適性や荷物を積むスペースにもこだわった。サイズはBMW「X5」やポルシェ「カイエン」と同等か、やや大きめ。多くの高級車ブランドが近年こぞってSUVを投入しており、アルファロメオもその流れに乗った格好だ。

「アルファロメオの未来の車が提供するのは、ドライバー中心の走りであり、エンジンの音であり、イタリアンデザインだ」

実はジュリア、ステルヴィオの発表と同じ日、日産自動車の新型EV(電気自動車)「リーフ」の発表会が幕張メッセで大々的に行われた。満を持してのジュリア発表と重なったためだろうか、FCAジャパンのヘグストロム社長は”車の未来はここにあり”と言わんばかりに強調した。

自動運転車やEVの開発機運が高まる中、「走り」にこだわり続けるアルファロメオ。ニッチなファン以外にも新たなアルフィスタを獲得し、グローバルブランドへと成長できるか。まずは、40年ぶりに復活したジュリアの売れ行きにかかっている。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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